女優・フルーティスト 神崎愛さん「神崎愛の半生」
関連リンク:2018年 神崎愛さんのインタビューはこちら
銀座ロイヤルサロン1週目
由結:さぁ、本日の素敵なゲストご紹介いたします。女優・フルーティストの神崎愛さんです。よろしくお願いいたします。
神崎:よろしくお願いいたします。
由結:神崎さんには2018年ですよね。以前にラジオにご登場いただたんですが、またお目にかかれてとても嬉しく存じます。
神崎:こちらこそありがとうございます。
由結:本日は神崎さんにこれまで伺ったことのないお話もお聞きしたいと思っております。
神崎:こちらこそよろしくお願いいたします。
目次
- 1 女優・フルーティストとして活躍の神崎さんの幼少期
- 2 反抗期はワルだったと語る、男の子達と戦う学生時代
- 3 弱かったバランス感覚が整い、体力がついた無名塾
- 4 フルーティストから女優へ、神崎さんの人生の転機
- 5 周りの人々に見出された神崎さんの女優としての才能
- 6 GINZA SIX観世能楽堂にて『卑弥呼の生涯』5月18日土曜日午後2時から待望の公演!
- 7 2024年5月!待望のコンサートに向けての準備の様子、締めの『初恋』について…
- 8 皇居に招かれたときに感じた上皇后様のお人柄と、神崎さんとご主人様の入籍の意外なきっかけ
- 9 神崎さんの人生に影響を与えた人々
- 10 『卑弥呼の生涯』舞台へ向けての神崎さんの心持ちとは
- 11 ファンの皆様へ。神崎愛さんからのメッセージ
- 12 まもなく開催!!音楽劇『卑弥呼の生涯』の概要ご紹介
- 13 一問一答
- 14 神崎愛さんのプロフィール
女優・フルーティストとして活躍の神崎さんの幼少期
由結:女優・フルーティストとして大変なご活躍でいらっしゃる神崎さん。幼少期どのようにお過ごしになったら、このようなかたになるのかなと興味津々なんです。お聞きしてよろしいですか。
神崎:そうですね。家の前に小山みたいなのがありましてね、そこの空き地で歌ったり、玄関がちょっと広かったんですけども、そこで踊ったり、階段が丁度あったので階段を使って、そんなふうにして遊んでましたね。
由結:昔から歌うこと・踊ることがお好きだった、と。
神崎:大好きでしたね。
由結:その頃の周りの景色はどのような感じだったのでしょうか?
神崎:そうですね。東京の田園調布地区で、まだ空き地が多くて、割と自然と一体になって遊ぶということができたんですね。お花を摘んだりしていましたね。
由結:きっと美しいものもお好きだったのでしょうね。
神崎:それから、動物が好きで、猫や犬が大好き。作文をするときなどは、猫とかワンちゃんのことばかり書いていました。
反抗期はワルだったと語る、男の子達と戦う学生時代
由結:学生時代というのはどんな感じだったのでしょうか?
神崎:小学生の時は割と良い子で、自分で言うのもおかしいんですけれども、卒業する時は割と優秀だったんですね。でも中学校の二年生は一番反抗期で、大変ワルでしたよ?
由結:ええ!?そうなんですか?
神崎:クラス中の男の子を相手に、反省会とかあると男の子が私を攻撃するし、それで私は男の子達と戦うという感じでした。
由結:まあ!そうなんですね!
神崎:はい(笑)「神崎が歩いたところの木の果物が無くなってた!」とかね、そういうくだらない事なんですよ(笑)
(笑)かわいいでしょ?(笑)だからもう中学二年ものすごい反抗期でした。
由結:へえ~!意外と強気というか、男の子を相手にしても向かって行くタイプだったんですね?
神崎:兄と二人で、兄の友達とか男の子が家にたくさんよく来てました。それで子供の頃、そういえば屋根の上なんか平気で歩いてましたよ。
由結:驚きです!
神崎:危ないのにね。だから撮影で屋根の上に登るとかい言うと「あっ大丈夫。やりますよ」と屋根の上に登ります。そんな感じです。
弱かったバランス感覚が整い、体力がついた無名塾
由結:いや~意外なお話です。きっとバランス感覚もいいんでしょうね!
神崎:いや、そういうことはないんですけれども、何か色々極端なんですよ。足はすごく強くて、高校生の頃もうさぎ跳びとか何周かしていると1周ぐらい速くなっちゃうくらい足強かったんですよ。だからハードルとかあると「ちょっとお手本見せて?」と先生に言われたり、でも手はものすごく弱くて、砲丸投げとか人の三分の二ぐらいしかダメなんですよ。
由結:まあ!
神崎:飛ばないんですよ。ちょっと何回かやってみたらと言われるけど、どんどんどんどん飛ばなくなる。もう普通じゃないんですよ。極端なんです。
由結:そうですか(笑)でもそのようにして、培った体力というか、そういうものがきっと今にも繋がってるのかなと思います。
神崎:いやー、体力ねぇ。やっぱり今回の公演では最後に『初恋』という歌を歌いますけど、高校生とかそういう時、そういう時期じゃないですか?
由結:そうですね。
神崎:お琴とかに熱中していたことがあるんですけれども、胃が弱くなったりして、すごく弱くなって、ヨーロッパへ初めて行った時も帰りが車いすだったり、弱かったんですよ。それが仲代達矢さんにスカウトされて無名塾で鍛えられて、それで体力ができたんですけれども、大学でフルートを吹いていたときも弱かったですよ。
フルーティストから女優へ、神崎さんの人生の転機
由結:今仲代さんという言葉も出たんですけれども、その仲代さんにお会いになったというも一つの人生の転機のような感じですか?
神崎:そうですね。それまではウィーンに留学して、デビューしたらフルートでデビューするというような道筋がついていたんです。フルートの第一人者の吉田雅夫先生に気に入っていただいて、ウィーンフィルの先生にも気に入っていただいて留学も決まっていましたし。それがスカウトされて「一つのお稽古事として行ってみれば?」フルートの吉田先生に言われて行ったのが「向いてるから女優になったほうがいい」と言われて、女優でデビューして、フルーティストの道は閉ざされたんですよ。もう寝る暇もないくらい忙しくなるじゃないですか?
そうやって、女優を7年8年ずっと続けていましたね。
由結:女優としてやっていく中で自分自身で「これは向いてるな」と思われた瞬間はありますか?
神崎:初舞台で賞もいただいたんですけれども、「え?」と思ったんですけれどね、その時まだ東京公演はなくて横浜で舞台の裏の階段を一人で降りて行く時に廻り階段があったんです。古めかしい階段なんですけれども、お客さんには見えないところですよ?そこを降りて行く時に何か女優になったような気分なったの。初舞台なのに(笑)それで「ハッ、良い気分だな」と思って、向いてるのかなとは思いましたね。
由結:素敵~!生まれながらの女優だったということですね!
神崎:いやいや、そんなことはないです。やっぱりすごく上手なかた、演技の上手なかた、「私ちょっと無理だな」というところもありましたし、両面ですね。瞬間瞬間ですごく不安になったりすると時もありましたしね。
由結:そして、ゴールデンアロー賞をお取りになったわけですね。
神崎:それは初舞台で、仲代さんのお母さんの役なんですよ。妻にして母ですから。それは普通だったら、あの時点で杉村春子さんとか山田五十鈴さんがやる役だと思いました。
由結:えぇ。
神崎:それを初舞台で何か色々工夫して、まだ華奢でしたから、パットを入れたりしたんですよね。
由結:貫録をつけるためですね。
神崎:そうそう。普通オフィリアの役でデビューするんだったら素直なんですけど、とにかく年配の役でスタートしたから「舞台関係のかたは年配の人なのかな?」と思ったりしました。それで普通だったら舞台で、すごく若い役やっても映画とかテレビとかだとわかっちゃうじゃないですか。
由結:はい。
神崎:だから年いった役を映画・テレビでやってても、舞台では若い役をやる、と。その逆なんですよね。映画やテレビなんかはすごく自分よりも若い役でデビューしましたね。
由結:そのギャップに戸惑いませんでしたか?
神崎:そうですね。私はそうでもなかったんですけれども、使うほうの先生がたが「あっ、もっと年いった人かと思った」とかそういうのもあったんですね。
周りの人々に見出された神崎さんの女優としての才能
由結:仲代さんをはじめ周りのかたがたに見出されるという、ご自分では何かそういった才能があったと思われますか?どんな点が良かったと思いますか?
神崎:無知だったところが良かったのかもしれません。
由結:なるほど!
神崎:塾で少ないですけど全部で10人ちょっとですけど、いらしてるかたが桐朋学園の出身のかたとかが多かったんです。それで私は芸大だから「あっ、ここはみんな音大生の来るところ。音大生の来る俳優のそういう訓練所なのか」と思っていたんですけども、桐朋学園というのは音楽学部と演劇の部とあったんですね。芸大のほうには演劇関係はないですから、勘違いしたぐらい無知でしたし、俳優座映画放送部というところに入ったんですけれども、そこの俳優座って、六本木を通ると、こんなこと言ったら何ですけど、ちょっと小さい汚い映画館があるなって思っていたんです。そうしたらそこは芝居のメッカだったんです。そういうのも全然何も知らなかったんですよ。
由結:きっとその場で、お花のように美しい神崎さんを見て、皆さんびっくりなさったと思います。
神崎:皆さん本当に目をかけてくださいましたね。だから仲代さんの奥様の宮崎さんにも本当に愛情を持ってご指導をしていただきました。
GINZA SIX観世能楽堂にて『卑弥呼の生涯』5月18日土曜日午後2時から待望の公演!
由結:実は今度GINZASIXでコンサートを開催なさるんですよね。ファンのかたも待望のご公演。観世能楽堂で行われるそうですね。
神崎:あそこのホールが素敵なんですよ。銀座のど真ん中にこんなにエレガントで優美な空間があるのかと。劇が始まってなくても入った瞬間に感動がありますから、ぜひお越しいただきたいと思います。
由結:私も以前に神崎さんのご公演に行かせていただいて、感動しました!本当に美しいお衣装とその場にあふれる幻想的な空気感。能楽堂だからこそ出る不思議な空間でした。
神崎:ありがとうございます。今回も卑弥呼を中心に演じますのでね、能楽堂そのものが卑弥呼の御殿みたいな錯覚を起こしちゃって、能楽堂はそのままで、大道具を使わなくても本当に立派な御殿がセッティングされています。
由結:そうですよね。実は神崎さんのご主人様が書いていらっしゃる『卑弥呼の生涯』という御本があるんですけれども、こちらの御本の中にも卑弥呼の伝説が登場しています。
神崎:そうですね。卑弥呼は本当に、明帝様という洛陽の帝に熱愛していたんですね。それで帝のほうも卑弥呼を気に入って銅鏡100枚、三角縁神獣鏡という美しい神獣鏡をプレゼントしたり、男女の意味があるんじゃないかとも言われている刀。そういうものを贈ってプレゼントしたり…本当にLOVEがあったと思います。
由結:そんな愛の物語も今回のコンサートで堪能できるということですね!
神崎:是非感じていただきたいと思っております。
由結:はい。それではファンの皆様待望の『音楽劇・卑弥呼の生涯』ですが、5月18日の土曜日、午後2時から午後4時まで開催されます。場所はGINZA SIXの観世能楽堂です。是非お見逃しなく!
神崎:是非お越しいただければありがたく思います。よろしくお願いいたします。
由結:申し込み先を教えていただけますか。
神崎:オフィスアイアートとという小さなオフィスがありまして、そちらにご連絡していただければ一番有難いですし、観世能楽堂のほうでも受け付けております。
由結:今ここで電話番号申し上げてもよろしいですか?
神崎:はい。
由結:それではオフィスアイアート、電話番号申し上げます。03-3533-7515。是非こちらに5月18日銀座観世能楽堂で行われます、神崎市愛さんの音楽劇『卑弥呼の生涯』についてお問い合わせください。
由結:それでは次週もまたご出演いただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
有難うございました。
神崎:有難うございました。
銀座ロイヤルサロン2週目
由結:さぁ!それでは、今週の素敵なゲストをご紹介いたします。女優・フルーティストの神崎愛さんです。どうぞよろしくお願いいたします。
神崎:よろしくお願いいたします。
由結:二週目もご登場頂きましてありがとうございます。
神崎:こちらこそありがとうございます。
由結:先週お話を伺った時に神崎さんのなかなか聞けないお話、いろいろお聞きしてびっくりしました。
神崎:そうですか。
2024年5月!待望のコンサートに向けての準備の様子、締めの『初恋』について…
由結:精神力の強さやバランスの良さというものを内面に秘めていらっしゃるんだなと思って感動しておりました。今週は神崎さんの素晴らしいコンサートが今度5月に行われますので、そのご準備の模様をお聞きしたいと思います。
今度のコンサートは、銀座の観世能楽堂で行われるそうですが、通常の公演と異なる点はどんなところでしょうか。
神崎:そうですね。足袋を絶対に着用しないといけないですし、靴は履いてはいけない、などがあります。ちなみに、今回初めて日本歌曲を歌います。そして私をとっても可愛がってくださってた高校の越谷達之助先生という音楽の先生、その先生の『初恋』という曲が日本のソプラノのかたにとても人気があって、コンサートで歌われる曲の一番人気の曲なんです。
由結:そうなんですか。
神崎:丁度高校生の初恋のそういう時期に教えて頂いて、海に向かって初恋の人、敗れた恋なんですけれども、失恋というか。それを卑弥呼が洛陽の海の向こうの帝を愛して先立たれて、すごく心苦しかった。このコンサートの締めにその時の気持ちと思って歌いたいなと思い、この曲を入れました。
由結:なるほど。つまり日本の歌曲が最後にくるということなんですね。
皇居に招かれたときに感じた上皇后様のお人柄と、神崎さんとご主人様の入籍の意外なきっかけ
神崎:私初めて日本歌曲を歌います。それから『ねむの木の子守歌』という上皇后様の作詞なんですけれども、私以前山本直純先生の指揮でよくオーケストラとご一緒したんですけど、アンコールでよくこの曲を歌ってたんですよ。
由結:そうですか。
神崎:レコーディングしようと言われてて、その頃は横文字の歌にかぶれてて、オーケストラバックでアルバムを作ったりしてたんですよ。でも年齢を重ねるにつれて、日本歌曲というのも改めて素敵だなと思ったんです。そして、上皇后様と直にお会いするチャンスがあってね、とっても素敵なかたで大ファンになって、自分のコンサートで歌うのは初めてなんですけれども、今回『ねむの木の子守歌』もプログラムに入っております。
由結:わー!素晴らしいですね!上皇后様にお目にかかったということなんですが、その時はどのようなお気持ちでしたか?
神崎:もうあんなに素敵なかただとは思いませんでした。主人が上皇様と上皇后様とヨーロッパにご一緒に旅した時にずっと御供していたものですから、皇居に呼んでくださったんですよ。お招きくださったんですけれども、その時私たち籍が入ってなかったんです。でも明日夫妻として御招待頂いたからと、お会いする前日に籍を入れました。
由結:えぇ!そうでしたか!
神崎:えぇ、籍が入ってないで、俳優さんでそういうことでお招きに預かって問題になったかたもいらっしゃったんです。だからそういうことがあっちゃいけないなと思って、それで結婚しちゃったんですけどね。
由結:まぁ!素敵なエピソード!
神崎:えぇ。本当に素敵なかたで、思いやりがあって、卑弥呼で丁度つけていたベネチアングラスの首飾りを普段の服・スーツに付けてたら、そんなのを褒めてくださったりしました。私のアルバムも何か、私の師匠としょっちゅうフルートとハープとかピアノでデュエットして、お話を聞いててくださったみたいで、初めてお会いした時に「お会いしたかったのよー」と抱きしめてくださったんですよ。
由結:えぇ!感動ですね!
神崎:もう嘘みたいな夢のようなことだったんですけどね。マリア様みたいなかたです。
由結:祈りの御方だと皆さん仰いますものね。
神崎:本当に癒されますよね。日本のお母さんですよね。
由結:やはりそうなんですね。
神崎:マリア様ですね。
神崎さんの人生に影響を与えた人々
由結:神崎さんに影響を与えたかたはたくさんいらっしゃると思うんですけれども、他にはどんなかたがいらっしゃいましたか?
神崎:先週お話したフルートの師匠、日本の第一人者で『春の海』の宮城道雄さんとデュエットなさって一世風靡した方ですが、そののち私もその当時ハープの第一人者の篠崎史子さんと一緒にオーケストラバックで初めて『春の海』をレコーディングしたんです。
そこで、今回は『春の海』をフルートで演奏します。モーツァルトのフルートハープのコンチェルト、これは私のライフワークのようにずっとモーツァルトの200年祭の時から全国で吹き始めて、もう海外でも吹きました。ですからその曲も演奏いたします。
由結:その時の海外での反響はいかがでしたか?
神崎:本当に『春の海』は国際的に人気曲ですから、喜んで頂けました。
『卑弥呼の生涯』舞台へ向けての神崎さんの心持ちとは
由結:はい。ファンの皆様も今回の舞台待望だと思うんですけれども、この『卑弥呼の生涯』というご主人様である宮本先生の作品もこの中に盛り込まれていると思うんですが、神崎さんとしては今回どういう心持ちでこの舞台に臨まれますか?
神崎:そうですね。やはり卑弥呼への想いが強いのと、今まで長年歳を重ねてまいりましたが、フルートも今回は三曲だけなんですけれど、フルーティストとしてデビューしてフルートリサイタル、全部フルートでのコンサートも随分沢山させていただきました。今回の舞台は『女優としての面』で卑弥呼の芝居も入ってますし、それから新しい分野で『日本歌曲』というのをリサイタルで歌うのが初めてで、御縁がある皇后さまや高校生の時の先生に習った『初恋』など。それらが網羅されています。この年代まで来ていろいろな自分の面を網羅している。そんなコンサートだと思います。
ファンの皆様へ。神崎愛さんからのメッセージ
由結:是非ファンの皆様に向けてメッセージを頂けますか。
神崎:はい。恥ずかしながらいろいろなことをやってきて、「本当にこれ大丈夫なのかな?」と思って、古い女優なものですからいろんなことをやるのは私がデビューした頃は本当に「二足の草鞋はダメだ」とか、「二兎を追う者はどうとかこうとか」と言われてましたけど、今は大谷さんのように「二刀流って素晴らしい」とか、「この人がそれまで書くの?」というようなこと。一つだけじゃなくていくつでもできるというマルチ的なことが人気になっていろいろな肩書きがあるかたが増えてきたなと思います。当時はそんな方はあまりいなかったので、名優チャップリンも『ライムライト』という素敵な曲を作曲なさっている。そういうかたもいらっしゃるんだ、と自分を慰めながらやっていたんですよ。
由結:そうだったんですね。
神崎:レオナルド・ダ・ヴィンチも医学の分野で活躍して凄い才能を持っていますよね。そういうかたもいらっしゃるんだと。それで私も仏教の先生にも可愛がって頂いて、比叡山の御座主様とかそういうかたにもご相談して「私二つ入れた道を進んで大丈夫でしょうか?」と言ったら「貴方の場合は両方なさいませ」と言ってくださって、勇気づけて頂きました。
由結:やはり!エネルギーがきっと高いんですよね。
神崎:いやいや!そんなことなくてね、自信なくなって器用貧乏みたいにも言われた時代ですけれども、一つことをやるともう一つできなくて、女優も始まったら7年8年フルート吹いてなかったんですよ。そののちデビューして、今度はフルーティストとか言われて、女優の一つの趣味として一枚ぐらいアルバムがあったらと思って作ったらベストセラーになって、私のデビュー作、カラヤンのアルバムよりも売れたんですよ。アルバムもシリーズ化されて、フルーティストとか言われると何か恥ずかしいような気持ちだったんです。
由結:そうでしたか。
神崎:女優としてもデビューした時は大学でフルートを学んでいましたから、女優と言われるの恥ずかしいなと思ったけれども、7、8年は女優だけでしたしね。一つ始まるともう一つがちょっと手につかくなったり不器用なんですよ。
由結:一つのことに邁進するという、そういう特質お持ちなんですね!
神崎:そうですね。それでお琴に熱中してたこともあるんですよ?お琴で芸大も受験しようと思っていたんですけれども、でもフルートは合奏する楽しみがあるんですね。お琴は一人の世界にのめり込んでいくという、そういうところが好きだったんです。
由結:そうだったんですね。素敵ですね。神崎さんがこれまで歩んでこられた女優として、そしてフルーティストとしての人生がギュッと込められた今回の舞台だと思うんです。
神崎:すごくよくまとめていただいてありがとうございます(笑)
まもなく開催!!音楽劇『卑弥呼の生涯』の概要ご紹介
由結:本当にファンの皆様、本当にお待ちかねだと思いますので、最後にもう一度ご紹介させて頂きたいと思います。
神崎:ありがとうございます。
由結:5月18日土曜日、まもなくでございます。銀座観世能楽堂にて午後2時から行われます。神崎愛さんの音楽劇『卑弥呼の生涯』。是非皆様に足を運んで頂きたいと思います。主催がオフィスアイアートということなのですが、お申し込みもこちらのオフィスアイアートにお願いします。番号申し上げます。03-3533-7515。こちらまで是非お問い合わせください。それから観世能楽堂でもお申し込みができるということですよね。
神崎:はい。
由結:皆様も是非お楽しみになさってください。それでは神崎さん二週に渡りまして本当にありがとうございました。
神崎:こちらこそありがとうございました。
由結:また是非遊びにいらしてください。
神崎:今日も楽しかったです。ありがとうございます。
由結:ありがとうございました。
一問一答
由結:それでは女優・フルーティストの神崎愛さんに一問一答でお答えいただきます。まず神崎さんの出身地は?
神崎:東京です。
由結:はい。
由結: それでは子どもの頃の習い事は?
神崎:ピアノと声楽ですね。
由結:はい、ありがとうございます。好きな食べ物は?
神崎:生うに。
由結:生ウニですか!素敵。ありがとうございます。そして趣味は?
神崎:女優なのに趣味って言ったらおかしいかもしれませんが、映画鑑賞とかですね。女優でも忙しい時全然できなかったんですけど、コロナだとかそういう時には映画鑑賞してました。
由結:おお。それでは好きな映画は?
神崎:『ゴッドファーザー』。
由結:あー、そうですか。どんなところが好きですか?
神崎:アルパチーノもかっこいいし、音楽もいいし、ドラマティックで景色も綺麗だし風情がありますよね。私も女優の時もスタジオよりもロケーションのほうが自然も美しいし好きです。
由結:はい、ありがとうございます。お芝居に目覚めたきっかけは?
神崎:やっぱり仲代さんのところで宮崎さんとご指導いただいて、相手役として育てたいと言われたことですね。
由結:はい、ありがとうございます。お芝居の魅力を一言で言うと?
神崎:楽器を変えてるような楽しさがあるんですよ。いろんな役ができるでしょ?だから芝居は退屈しないですよ。
由結:はい、ありがとうございます。それではフルート奏者になったきっかけは?
神崎:それはやっぱりお琴もやってたんですけど、琴とどちらを選ぶかという受験の時にフルートはやっぱりアンサンブルの楽しさ、合奏する楽しさがあります。お琴はひとりのところにのめり込んでいきます。やっぱり合奏すると楽しいですよ。
由結:はい、ありがとうございます。それではフルートの魅力を一言で言うと?
神崎:フルートの音色には天の声みたいな、そういうことも感じるんですね。ですからそういう音色が出せるような自分でなかったら、改めて聞かれるとそう思いますね。
由結:なるほど、ありがとうございます。それでは人生の転機は何歳?
神崎:人生の転機?23歳24歳じゃないですかね。
由結:はい、この時どんなことがありましたか?
神崎:フルーティストになる路線がちょっとウィーンヒルの先生に気に入っていただいたりできてたのに、女優は仲代さんにスカウトされて、それで「お稽古ごとの1つとして行ったら?」とフルート先生・師匠に相談したら言ってくださって、それで行っていたら「女優に向いてるから」といって女優でスタートしちゃったっていうのが転機かもしれないですね。
由結:なるほど!大きな転機でしたね。はい、ありがとうございます。今夢中になっていることは?
神崎:そうですね。やっぱり映画にファンとして興味が出ましたね。逆に時間が全然なくて女優の時は映画鑑賞できなかったんです。寝る時間もなくなってしまいますから。でもコロナとか何とかでね、逆に良い映画を見させていただきました。
由結:鑑賞する側になったということですね。
神崎:えぇ。
由結:ありがとうございます。それでは実現したい夢は?
神崎:そうですね。前から1プレイヤーでいたいなというような夢があったんですけれども、ちょっとコロナやなんかで年齢もあるし諦めかけてましたけど、今度の5月18日の能楽堂の芝居を機会にまたやはりそういうプレイを続けていけたらいいなと思うようになりました。
由結:そうですか。本当に応援しております!
神崎:ありがとうございます。
由結:それでは女優・フルート奏者になりたいかたに向けてそれぞれメッセージをいただきたいと思います。女優になりたいかたに向けてお願いできますか?
神崎:すごく楽しい仕事でもあるんですけれども、辛いところも本当にありますし、真剣に何でも取り組まないと暑かったり寒かったりもありますし、怪我したりそういうことも撮影なんかであると思いますし、そういうことに耐えられないとちょっと難しいという厳しさもやっぱりありますね。
由結:そうなんですね。華やかな中に厳しさもあるということですね。
神崎:そうそうそう。それもないと憧ればかりだとそれこそ大変だと思うから、覚悟してかからないとダメでしょうね。
由結:覚悟が大切ということですね。
神崎:うんうん。
由結:ありがとうございます。それではフルート奏者になりたいかたにメッセージをお願いします。
神崎:フルートやっぱり素敵なところもあるんだけれども、色々楽器の大変さというのは先ほどもちょっとお話ししたんですけれども、ボリュームが小さい、だってねパイプオルガンとフルートとデュエットしてくださいなんて言われたことあるけれども、向こうは電気も入ってますし、あんな太いのとか何とかって、フルートはこんな細いので息だけですからね。それで不安定ですしマウスピースもラッパもなくて、温度で汗が出て滑っちゃうというようなこともあるし、音響もフルートの音響というのは苦手な人は多いんですよ。そういうハンディがありますけれど、そういうのを乗り越えて楽しみで吹けるんじゃないかなと思います。楽しい楽器ですよ。
由結:楽しい楽器ということなんですね!ありがとうございます。
神崎:だからそれで吹けるって楽しいじゃないですか。吹けなかったらやっぱり寂しいなと、吹く機会がなかったら寂しいなと思いますね。
由結:はい、素敵なお話をありがとうございました。
神崎:こちらこそ。一言ってなかなか難しいです。
由結:いえ、とっても励みになりました!ありがとうございました。
神崎:ありがとうございました。
神崎愛さんのプロフィール |
青山学院高等部より東京芸術大学に進み、日本フルート界の重鎮、 吉田雅夫教授に師事。CDアルバムの処女作『愛のフルート」は、ベストセラーになり、 ゴールデンディスク賞受賞。 クラシック、ジャズ、映画音楽と芸域は広く、チェコ、キューバで有力オーケストラと、コンサートを開催。 「プラハの愛」など10数枚のアルバムをリリース。 女優としては、仲代達矢氏の相手役として教育され、 初舞台「オイデップス王』の王妃イオカステ役でゴールデン・アロー賞、映画では日本アカデミー新人賞受賞。 恒例の帝国ホテルでのクリスマスディナーコンサートでは、 「フルートと歌で綴る世界の旅」 など、優雅で楽しい物語風のコンサート、東日本地震・津波・原発被害支援チャリティーコンサート等を実施。 |