やましたひでこさん 断捨離提唱者「今・ここ・私」を生きるための新陳代謝の「美学」
断捨離提唱者 やましたひでこさん(1)
断捨離提唱者 やましたひでこさん(2)
銀座ロイヤルサロン1週目
由結:さぁそれでは本日の素敵なゲストをご紹介致します。”断捨離提唱者”のやましたひでこさんです。よろしくお願い致します。
やました:はい。こんにちは、よろしくお願い致します。
由結:やましたさんが提唱された”断捨離”と言う言葉はすっかり世の中に浸透してますよね。2001年から提唱していらっしゃるとか?
やました:そうですね。これは私個人の自分で作り上げてきた生活の哲学なのですが、それを外に向かって発信し出したのが2001年なのですよね。だから私自身の断捨離はそれこそウン十年。実は40年以上ですね。
由結:そうなのですね。元々ご関心がおありだったのですか?
やました:いや、全然関心はなかったですね。たまたまご縁で大学の4年生の時にヨガ道場に行きまして、そこで”断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)”、”断つ行法・捨てる行法・離れる行法”ですね。執着を断って離れなさいと言うね。そういう教えを受けたのですよ受けたと言うよりは聞いただけ。あるいはかじっただけ。かじったどころか舐めただけみたいな。「これはまずいものを知ってしまった」みたいな形でね。10年程封印しましたね。だって執着を扱うようなことですから。今だって執着だらけなのにね。とってもおこがましい話ですよね。でも大事なことだとわかったので、「これを何か日常の生活で極めていくと言うかな?お稽古していくと言うのかな?そういう身じゃないかな?」と思った時に、出会ってから10年後に封印が解けて、日常の片付け、そこに落とし込んだと言うことだと思うのですね。なぜならば自分が不出来な主婦だったので、家事が苦手な主婦だったので、「家事こそ命を育むものなのに何でこんなに私達こんなに家事嫌いなのかな?」と言う所で。でもそこで大切な教えであった「”断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)”を一緒にすれば何とかなるんじゃないかな?」と言う淡い期待の下に始めましたね。
由結:はぁ~!それ思い付いても実践に移すのは難しいと思うのですけれど…。
やました:でもこれ、実は簡単だったんですよ。だって女性は特に、由結さんもそうだと思うのですけど「着る服がない!」と悩むでしょう?
由結:はい、どうしようか悩みますね。
やました:実際は無いんだけど、それは無いと思っているだけで、実利的にはクローゼットにいっぱいあるわけでしょう?
由結:はい。
やました:それで無いのにある、あるのに無い。「えっ、これおかしい」と思ったら、正確に現状を認識すると”着たい服はない、着たくない服はいっぱいある”に気が付いたんですよね。そうすると”着たくないのに何故あるか”ですよね。それこそもう”執着”。「高かった」とか「もしかして痩せたら着れるかもしれない」とかね。色んなねつ造した執着があるから、その証拠品として。家に着たくもないし、第一着れないでしょう?ファスナーが上がらないと言うようなふうに成り果てているのにも関わらず「あっ、私達は取っとくんだな」とそこに気が付いたんです。
由結:う~ん、深いですね。
やました:実は日常の生活空間ですね。ある意味”里の行”と言ったらいいのかな?山の上で特別にすることではなく、日常生活の中で自分の執着に気付き、その執着の証拠品である、もう御用済みの服との闘い。だから”やましたひでこの断捨離”は実はクローゼットがスタートだったと言うことですね。
由結:なるほど。クローゼットからはじまり…そしてどうなったのですか?
やました:そうですね。最初にクローゼットで。怒りを覚えるんですよね、自分がしでかしたことなのに。「何でこんなに余計な服が。着もしないのに、着られもしないのに。いや着たくも無いのにこんなにあるんだろう?」と思ったらね、怒りが込み上げてきてね。それでしかも自分がしでかした不始末に怒りが込み上げてくると同時に、周りの家族もそうなわけですよね。そっちにも怒りが込み上げてきてね。実は大変だったんだけど、その”怒りを感謝に変えていく”と言うのかな?「なんだかんだと言ってもお世話になった服なんだ。ちゃんと扱えなかったのは私自身なんだ。」と言う形で、お詫びと感謝を繰り返すようになるのにやっぱり数年かかってしまったんですよね、実は。
由結:確かに怒りを感謝にまで変えるのは大変ですね。
やました:そうですね。私達は何か人のせいにしたいじゃないですか。だから自分が申し訳ないこと、申し訳ない扱いをしたとか言うことに辿り着くまで時間がかかって、その格闘はかなり長く続き、それでそこが「あー、そういうことだった」と分かってから今度は台所とかね。台所にあるもの、いわゆる便利グッズ。用途別に揃えちゃうでしょう?
由結:ありますねー。
やました:それでそれがもう空間を損なうほど滞積していると言う状態ですね。まずその次に食器でしたね。共通点があったんですよ。洋服は”装うもの”でしょう?それで自分を装うものなのだけど、食器と言うのは”お料理を装うもの”。それで洋服はまた自分の入れ物だったり、食器は食べ物の入れ物だったのですね。「あっ、そうか私達は何となく入れ物に弱いんだな。入れ物となるとついちょっと置きたくなるんだな。」と言う。そういうことに気付きだして「こんなに入れ物があってどうするの?」それで結局タッパー・密封容器があるじゃないですか。それであそこに、あれは食べ物を入れるものであるにも関わらず、タッパーの中にまたタッパーが入っているわけですね。それでその沢山のタッパーは収納庫全部に治まってて、「えっ、全然活かしてないな」と。それでそこで気が付いたのは”全てが過剰だった”と言うことに気が付いた。「自分が活かせなかったのはこういうものをちゃんと活かせてあげられなかったのは、あっ、多すぎるからだ!」と。
由結:適量と言うのがあるのですね。
やました:そうそう、適量があるんです。だからといって少なすぎても悲しいじゃないですか。足りないと言うのは。足りないと言うよりは少な過ぎるです。多くてもそこに残念なことが起きてるんだな。それで自分の身の回りを見まわしたら「”足りない困難”よりも”多過ぎる不幸”に囲まれてるんだな」と言うことに改めて気が付いて、多過ぎる不幸を断って捨てて離れていこうとしてるのが”断捨離”だと言うことですね。
由結:だから、断捨離にはセオリーがあるんですね。
やました:そうですね。だからまず”過剰に気付くこと”。不足は気が付きやすいので、大丈夫。そして足していくことは得意だから、もう学ばなくてもいい。お稽古しなくてもいい。でも私達は多い・多すぎると言うことに対しては無自覚なのですよね。だからまずそこに気付こう。そして気付いたら今度引き算ですよね。また引き算が苦手なのですよ。学校の算数もそうだったでしょう?足し算までは何とか指折って出来たんだけど、引き算となると途端にそこで止まっちゃったと言う苦い経験があるので。「あっ、引き算は苦手なんだ」。だから”目の前から無くしていくと言うことは非常にハードルが高い”んだなと言うのが改めて気付いたからこそ、”断って・捨てて・離れていく”。全部引き算でしょう?”引き算の視点を持つこと・引き算の視点に基づいた思考を持つこと”、そして”引き算の思考に基づいた引き算の行動をしていくこと”。それが過剰からの不幸ですよ。それを自分は脱出することが出来たと言う経験があったのは大きかった。でもそれでも30年近く試行錯誤でした。
由結:今日はですね、1月の半ばの放送で、年末の大掃除は終わったあとなのですが、まだ今からでも間に合いますか。
やました:そうですね、もちろんですよ。新しい年と言うのは常に来るじゃないですか。元旦ではなく、今度は節分ですね。だから”春(しゅん)”。そうですね。立春に向けて春がやってくる。それでそれにも間に合わなかったら”春分でもいい”し(笑)。
由結:あははは(笑)そうですね。
やました:常に常に代謝していくと言うのね。これからが”断捨離”のある意味トップシーズンかもしれませんよ?春に向けて、芽吹いていく季節に向けて余計な根っこ、余計な枝幅刈り取っておくと言うのはとても大事だと思いますよ。
由結:そうですね。それでは来週もまた断捨離についてさらに詳しくお話をお聞きしていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
やました:はい、こちらこそありがとうございます。
銀座ロイヤルサロン2週目
由結:さぁそれでは本日の素敵なゲストをご紹介致します。”断捨離提唱者”のやましたひでこさんです。よろしくお願い致します。
やました:はい。こちらこそお願い致します。
由結:はい。今日もワクワク楽しみにしていたのですけれども、”断捨離”と言うものが大変奥深いものだと言うことを先週教えて頂きました。それで実はやましたひでこさんの、最新刊ですね?
やました:そうですね。
由結:はい。ご本が出ておりますが。”ウチ、”断捨離”しました! ”。これはBS朝日で番組の中で毎回様々な事例を取り上げていると言う…。
やました:そうですね。実際に私がお宅に伺って、断捨離現場で断捨離を一緒にしながら色んなことに気が付きながら、その残念な有り様の、ある意味”悲惨”ですよね。悲惨な状態から脱出していくドキュメンタリーですよね。
由結:様々なケースがこの中に載っているのですけれども、今までで思い出深いものはありますか?
やました:そうですね。どこも思い出深いのですが、共通していることはやっぱり時間が止まってる。だから物が入ってくる。それは必要に応じて新しい物を取り入れるのは自然なことですよね。それはそれぞれ物が活躍してくれる期間が決まっていて、もう活躍が出来なくなっているにも関わらずそれが全部溜まってるんですよ。全部そのまんまなんですよね。だから代謝していないんですよね。代謝していないと言うことは、詰まっているいると言うことなんですね。だから空間が詰まっていると言うことは、”時間も詰まっている”。全く動きが無いんですね。その停滞した時空間ですよね。停滞した生活の時空間の中に沈んでる人。とっても多いんですよね。
由結:なるほど。この帯の中にも”2年間時が止まったキッチン”とか色々書かれていて。
やました:そうですね。でも簡単に分かるんですよ。例えば全部点検してくると、賞味期限・消費期限が何年も前のものがぞろぞろ出てくる。でも本人はもう忘れちゃってるんですよね。だから意識していないものなので、無いんですよ、本人にしたら。でもそれ、改めて点検してみると、もう意識の底に沈んだ物がどんどん出てくるわけ。だから意識の掘り起こしですね。
由結:なるほど。一つ掘り起こすとまた周りの物も全部起こされるような気が。
やました:そうです。そうすると、意識がクリアになってくる。蘇ってくると見えてくる世界が違ってくるのですよね。今までは見てみないフリをしていた。そしたら見てみないフリじゃなくなって本当のに見えなくなっていた。今自分の状況を。ところがそれが見えるようになったら、「思っていた以上に惨憺たる空間・時間で自分は生きていたんだな」と気が付くんですよね。そしたら気が付いたら速いんですよ。
由結:気付くことが大事なのですね。やましたさんのお弟子さんはたくさんいらっしゃると思うのですけれども、皆さん勉強されると変わっていかれるのでしょうか?
やました:そうですね。”断捨離トレーナー”と言うかたで、断捨離の教育しながらクライアントさんの問題解決をしていくお仕事なのですけど、その問題解決がまさにそのまま空間に表れているわけですよね。
問題がね。それで空間の問題を解決していくのだけれども、その空間の問題の背景と言うのが必ずあるわけ。例えばやっぱり一番多いのは”家族関係”ですね。特に”夫婦関係”。その問題がそのまま空間に映し出されている。
由結:へえ~顕在化しているんですね。
やました:そうです。だから必ず人間関係の問題が潜んでいると言うのは分かっているんだけど、あえてそこに切り込まず、空間を整えていくことによって関係が整っていく。
由結:なるほど。
やました:そうそう。面白いですよ、それは。だから見えない形のない問題が見える形に表れている。だからそこで診断が出来る。それで診断が出来たら、そこから解決が出来ると言うのが”断捨離”なのですよね。だから人間関係も淀んだ空間だったらどんどん悪化するの決まっていますよね。それで人間関係にそこがあると言うのは当たり前ですよね。でもその当たり前の問題を”悪化させるのか”、”解決に向かわせるのか”と言うのは”空間の有り様次第”なのですよ。
由結:そうなのですね。それで自分自身が気付いた時点で、ほぼキッカケは出来たといえそうですね。
やました:そうですね。「こんな有り様じゃあイライラするの当たり前だよね」と、「こんな有り様だったら、つい攻撃したくなるよね」と言うことに自分が気が付くとね。清々しい爽快な空間だったら、「例えトラブルが起きても何とか一緒に解決していこう」と言う環境が出来上がると言うことが自分でわかったら。
由結:なるほど。じゃあ気付いたら意外と速く解決するのですね?
やました:はい。速いですね。
由結:部屋が散らかっていたり、人間関係もこじれている中で、鬱々していらっしゃるかたがよくなるのは時間がかかりそうな気もしますが…。
やました:そうですね。つまり鬱々と言うことは、”鬱”と言うのは詰まってると言うことですよね。と言うことは、空間自体が気鬱な状態。”気”なんですね。それでその気鬱な空間にいるから、本当に自分の気分まで鬱々になってしまうのですよね。だから昔は散らかっててイライラしている人が多かったんだけど、今はそんなレベルじゃなくて、大量の物が詰まってイライラじゃなくて”鬱々”と言う状態で元気がないのですよ。物に全て乗っ取られちゃってる。エネルギーを吸い取られちゃってる感じで、もう”戦う気力もない”ですね。もう何とかする気力もなくて、”面倒くさいと言う状態が諦めになり、諦めから今度絶望的な気分になったりする”のが非常に多いんですよね。それでそういうかたはやっぱり”レスキュー”がいるんですよね。”一人では無理”。なのでトレーナーさんが寄り添うと言う形ですよね。
由結:凄く頼もしいですね。
やました:うん。もうレスキュー隊ですよね。
由結:社会現象・社会問題を解決すると言うお役目ですね。
やました:そうですね。社会問題ですね。本当に大きな社会問題です。
由結:リスナーの皆さんも関心持ったかた多いと思うのですけれども、この情報と言うのはどのようにしたら取ることが出来るのですか?
やました:そうですね。ホームページもありますしね、この”ウチ、”断捨離”しました!”と言うこの本も番組のホームページがあるので、ここにアクセスして頂くと私がお伺いすることになるかもしれませんね。BS朝日の番組です。
由結:はい。是非皆様チェックなさってみてください。それでは2週に渡りまして、やましたさん、本当にありがとうございました。最後にリスナーのかたに向けてメッセージをお願いしたいと思います。
やました:そうですね。”断捨離はただ捨てることにあらず。貴方をより輝かせる。”そういうメソッドだと言うことを知って頂きたいです。
由結:はい。本当に奥深いメソッドだと思いますので、是非実践をして頂きたいと思います。本当にありがとうございました。
やました:はい。こちらこそありがとうございます。
プロフィール |
早稲田大学文学部卒。 |