小林一夫 おりがみ会館 館長「折り紙で世界をつなぐ紙ニュケーション!」
2018年12月13日放送
おりがみ会館 館長 小林一夫さん(1)
2018年12月20日放送
おりがみ会館 館長 小林一夫さん(2)
銀座ロイヤルサロン1週目(2018年12月13日放送)
由結:さぁそれでは本日の素敵なゲストをご紹介致します。おりがみ会館館長の小林一夫先生です。よろしくお願い致します。
小林:こちらこそよろしくどうぞ。
由結:小林先生と言えば、テレビや雑誌など様々な所でご活躍ですので、皆様ご存知のかたも多いと思うのですけれども、ここで改めて少しだけプロフィールをご紹介致します。小林先生は”おりがみ会館館長”、そして”内閣府認証NPO法人国際おりがみ協会理事長・和紙の老舗である湯島の小林四代目”。展示公演を通じて日本の伝統文化である和紙・折り紙の普及活動を国内外で行っていらっしゃいます。今日はお忙しい中、駆けつけて頂きました。先生。今目の前にこんな素敵な折り紙と和紙が並んでいますが、先生はずっとこのお仕事に携わっていらっしゃるんですよね。
小林:うちは160年やってますからね。僕は実は折り紙はタイプじゃないんですけど、職業としてやってますから、30歳ぐらいからやってます。でもね、ジーッとして、コツコツね、そうやるのが世の男の人は好きでしょ。算数が好き。
由結:確かに、一つの事をじっくりとするのが好きな男性、多い気がします。
小林:そうそう。僕はタイプじゃない。気があちこちに行ってね。何でもやってしまうけど、その代わり(笑)
由結:先生がこれまでで一番面白かったと思うことってどんなことでしょうか?
小林:そうですね。僕はなんと言うか、じっとするタイプじゃないから、僕の時代はディスコですよね。それとか色んな所、それこそ海外に行くと折り紙ってのはウケるって言うことでね。日本でも女性にウケるって言うことなの。ですから、これはいい小道具なんですよ。動機は不純だけどね(笑)
由結:折り紙用の紙でなくてもできるんですか?
小林:あのね紙って今特殊な紙もやってますけど、ペーパーナプキンね。ほらレストランの、世界中の。あれで折れば。それから箸袋、それと箸置き。そうすると楽しいし、海外でナプキンでやるとワインの一杯でも出てくるしね。
由結:皆さんお喜びになるんでしょうね。先生、早速なんですけども、素晴らしい和紙を持って来てくださっていますので、ちょっと折りながらお話はできるんでしょうか。
小林:そうですね。そうしましょうね。何がいいかな?
由結:ありがとうございます。もう色とりどりの和紙がありまして、迷いますね。クリスマスカラーもあります。
小林:正月もあるし。例えばこの箸袋だ。ね、お箸が入ってんの。
由結:あ、お店ですぐに手に入る。
小林:注文するじゃない、待ってんの待ち遠しいじゃない?その時にですね、皆でこれ折ってれば。それで箸置きになれば。年齢性別問わないですよ。だってできたものは皆、言葉いらない。だから僕は「This is a pen」でもいいんだから。
由結:えぇ。と、言ってる間に何か形が随分できてきているんですけども。
小林:私の手と脳は直結してるからね、病気にならないの。
由結:やはりそうなんですね。脳の体操になるんですね。
小林:そうですね。歩くのはね、第2の心臓ですから。歩くの良いですよね。でも指は”第2の脳”だから。ペンフィールドってのかな?ノーベル賞取ったのは”指と脳”なんですよ。それでまた特に今年かな。この2年3年流行ってきたのは”認知症予防”なんですよ。
由結:なるほど。
小林:僕、毎月出してるんですよ、本。珍しいでしょ。僕今まででね、毎月本出してる。月に2冊の月もあるんですよ。
由結:そうですか…!と言っている間にできました!
小林:それでこれ箸置くんだもん。ワンちゃん!
由結:可愛いワンちゃんができあがりました。これみたらやはり女性や海外のお客様は喜びますよね。
小林:そうですね。だからテーマによるんですけどね、例えばこの薔薇なんて言うのはね、世界中女性は花にはね。小林:そうすると色んな国でやると、薔薇の鑑賞の仕方ってのはね、僕はマレーシアしょっちゅう行ってました。毎年のように行った時は、やっぱり植物園の園長に会ったりすると、薔薇と言うのはですね、目を瞑って下唇に花をつけるんですよ。
由結:へー!そうなんですか。
小林:それが観賞の仕方。全部香り違うんだから。
由結:観賞の仕方…花を寄せるんですね。
小林:そうそう。それで春の薔薇、夏の薔薇とかはやっぱり気温によって、季節によって、感じかたが違うんですよね。その話とかね。楽しいですよ。
由結:いいですね、先生の折り紙の講座もそうですし、ご講演の中で色んな季節の話だったり、海外の話だったり色んなことが楽しめるんですね。と言っている間に、随分形ができてきて、ピンセットが登場しましたけれども。あっ!それでこうグルグル巻き込んでいくと、お花に。
小林:そうそうそうそう。うちはお茶の水だからさ、病院の街だから。ピンセットも手術用ですよ。道具っていいもの使わなきゃ駄目ですよ。
由結:なるほど!
小林:大きな違いですね。
由結:確かに。先生のおりがみ会館でも、”染め”をやってらっしゃいますけど、職人さんが本物の道具でやってらっしゃるわけですよね。
小林:そうです。なんでも手作りはですね、ノルマでやっては駄目なんですよ。そうすると粗いもんができちゃうね。やっぱり好きなようにやらせる。それで”手抜き”って言葉があるじゃないですか。機械はあんまり悪いもん出来ないんです。機械が壊れちゃうからね。
由結:んー!なるほど、そういうことですね。もうでき上がりましたね。
小林:こうやってね。僕は病気しないもん。こんなことやってるから。うちの親父はですね100歳まで売り場にいましたよ。
由結:素晴らしい!
小林:歩くの好きだったから丈夫ってのもあるけど。101歳でしたけどね。うちのお袋は歩くのキライ。それでも94まで生きたんだから。気持ちの持ちかた。なんでもそうですよね。歩かなくたって長生きする人だっている。
由結:えぇ。そうですね。いやー、ほんとにこれ1分もかかってないですかね。わ!素敵です!
小林:綺麗でしょ?
由結:素敵な薔薇!葉っぱがちゃんとあって、その上にお花が。和紙の薔薇なのでまたほんとに特徴的で華やかです。ゴールドが施されてて。クリスマスの贈り物にもいいですね。
小林:そうですね。赤い薔薇とか白い薔薇作るんですけど。それから、今は戌年で、来年は亥年でしょ。
小林:そうするとね、イノシシは英語で”boar”。僕は中学の時ね、ローレンス・オリビアの“リチャード三世”を見たんです。ヨーク家とランカスター家の戦いなんですよ。それで白い薔薇と赤い薔薇とあって、薔薇戦争ですよね。あれ1400年代の話。イギリスですよ。そうすると、その時の旗印が白いホワイトボアの白いイノシシ。猪突猛進だから。死を恐れずに戦うから。そういうの真田幸村もそうでしょ。六文銭持って三途の川の費用持って戦うんだ。そういうのよく世界中あるんですよね。
由結:なるほど~!
小林:猪突猛進。日本では”イノシシ年”って言いますけども、中国じゃ”豚年”だからね(笑)なんとなくこの”豚”だとどうしても様にならないですよね、でもなんていうの素材を選ぶとかっこよくなるんです。マンガになっちゃうわけじゃないから。同類ですよね。イノシシと豚、どう違うのかと。体毛あるないもあるし。
由結:確かに、そうですね。
小林:そう。それとね、なんかあばらが二対骨がないとかね。イノシシも七代になると豚になるってわけ。
由結:えぇ!?そうなんですか。
小林:言われてるわけですよ。イノブタもあるじゃないですか。
由結:あー!と言っている間に美しい指輪が完成しましたね。
小林:エメラルドね。海外でよくこんなことがあります。夫婦でいらしている方に、「あなたね、これご主人からあげなさい」と言うと、言葉なんかいらないですね。目で皆スッと分かってきて皆の前であげるわけ。そうすると皆で拍手するってのが毎回のパターン。
由結:素敵!
小林:お手をどうぞ。
由結:わぁ、ありがとうございます。左手のお薬指に綺麗だから入れました。これは嬉しいですね(笑)
小林:でも僕もね、右と左で指輪で婚約してるかどうかってあるじゃない?
由結:えぇ。
小林:地区によって逆のことがあるんですね。そういう習慣ってのも面白いしね。
由結:先生のご講義聞いてると、もちろんこの折り方のお話はもちろん、色んな楽しい雑学も教えて頂けるんでしょうね。きっと。
小林:南米のコロンビア、エメラルドの、一番ですけどね。そういうのとか、ダイアモンドとかね。色んな話するとなんでも折り紙からそういった所に広がってくる。そうするとその全てが広くやってくと、俯瞰して見るから色んなもんが見えてくるんですよ。そればっかり研究してる人はですね、上下前後が偏っちゃう。
由結:なるほど。
小林:結構そういう所、専門家はそういう所があるんです。
由結:“俯瞰して見る”…先生は昔からそうなさっているんですか?
小林:昔からね、あっちこっちやる。邦楽だって色んなことやったもん。その代わりすぐ飽きるからね。
由結:色んなこと本当に。お勉強と言うより興味があることどんどん吸収なさると言うことなんでしょうね、きっと。
小林:例えばね、お箸の袋あるでしょ。料理屋さんにですね、お箸ね。それでこの心付けだわ、仲居さんだわ。その心付けの時にこの箸取って、箸袋の中にお金入れるのよ。それでこうやって曲げといて、ちょっとさせばポチ袋。これっぽっちって意味なんですよ。関西からきてるんですよ。だから一万円は入れないけどね。
由結:わ!凄い綺麗なポチ袋。
小林:これでお姉さんに渡すわけ。
由結:んー!粋ですね。
小林:粋でしょ。現金はキャッシュ渡さないもん。そうい話とかね。なんでも首出すんだけどね。
由結:素敵ですね。この箸袋自体も凄く可愛いんですけれども、こういったアイデアと言うか、こういうもの作ってみようみたいなのはドンドン沸いてくるんですか?
小林:それはそうですね。なんでもね、”思い付く”っていうのね、”気が付く”ということです。創作なんて大げさ言っちゃいけないですね。僕はね。”気が付く”ということ。
由結:”気が付く”…全てのことに応用できますよね。先生お話が尽きないんですけれども、そろそろ時間になりましたので、来週このお話の続き伺わせて頂けますでしょうか?
小林:はい。
由結:はい。それでは最後にリスナーのかたに向けてメッセージ頂けますか?
小林:そうですね。折り紙はね、両手を使って、そして健康にいい。寝ている場合でもベッドの中でできるってことね。テーブルはいらない。僕空中でやってるでしょ?
由結:確かに。
小林:ですから場所を選ばない。そして素材はどこにでもある紙でできると。そういうふうにして是非健康の為にやってください。
由結:はい、素敵なメッセージ、ありがとうございます。
銀座ロイヤルサロン2週目(2018年12月20日放送)
由結:さあそれでは本日も素敵なゲストをご紹介致します。”おりがみ会館 館長”でいらっしゃいます、小林一夫先生です。よろしくお願い致します。
小林:こちらこそよろしくどうぞ。
由結:はい、2週目ご登場頂いております。
由結:はい。もう先生はいつも素敵な笑顔で、お会いするたびに何かエネルギー頂ける感じなんですけれども。
小林:ありがとうございます。
由結:何か健康の秘訣みたいなものってあるんでしょうか?
小林:そうですね、僕は歩きます。歩くと言っても仕事してますから、朝の散歩とラジオ体操してます。
由結:毎日欠かさず?
小林:毎日。神田明神境内で。
由結:朝の気、エネルギーをいっぱいに持って。それをまた生徒様にもお分けしていると言う感じですね?日本各地を歩いていらっしゃるとも伺ったんですけれども、やはり色んな所へ行かれたんですか?
小林:そうですね。その場所行くとね、2日3日そこらへん歩いてね。海外もそうですよ。そこ行くと歩いて、端から端まで行くと結構広くわかりますよね。
由結:手先を使ってらっしゃるのも健康なのかなと思いますが?
小林:ね、意識はしないですけど、病気はしないですね。
由結:自然体ですよね、先生はいつも。
小林:そうです、そうです。
由結:皆さんの作品づくりに携わる中で、何かこう思い出に残っている様なことはありますか?
小林:そうですね。そう僕マレーシアって言いましたでしょ。そしたらね、聾唖学校行ったんですよ。講堂に集まったんですよ、300人ぐらい集まった。それで僕が喋ると手話でやってるのよ。ハッて気付いたんですよ。僕、「This is a pen」ですよ。それで一人で行くんだからね。そうしたら、僕も喋れなくてもわかるんだってこと、折り紙で。一歩皆前進しましたよ。終わった時皆追っかけてきましたもん。あれ感動ものですね。
由結:言葉がなくても伝わる!
小林:伝わる!
由結:コミュニケーションできる。
小林:喋れなくてもいいんだもん。
由結:折り紙を通じて目をキラキラさせてる様子がなんとなくイメージ出来たんですけれども。
小林:そういえばラジオ体操の仲間でね、小児麻痺の人がね、車いすで94まで生きたって言うの。だから生きるんですよ。諦めたら駄目よ。うちのお袋歩くの大キライですよ。でも94まで生きたんだもん。そんなもんですよ。
由結:やはり、日々色んなことに興味を持ったり、楽しんだり…心の持ち方は大切なんですね。
小林:そうそうそうそう。
由結:これが先生のこの素晴らしい作品の源なのかなと言う気がするんですけれども。例えばたくさんの生徒さんいらっしゃると思うんですが、私なんかは指先があまり器用じゃないので、「折り紙で作品つくれるかな?」って思ったりするんですけど、そういう人でも折れるようになるんでしょうか?
小林:年取って90過ぎたらさ目が不自由になる人、手が不自由になる人。それでも折り紙出来るんですよ。だから下に置かないで折り紙やると、なぜ下に置くかって言うときちんと合わせなきゃいけないでしょ。きちんと合わせる必要があるのかと言うことですよ。なんで合わせるのか。三時間以上やるのに合わせなきゃできませんよ。誰が三時間かけて一つの物を折ります?それはそれでいいんですよ。でも折り紙はそんなもんじゃないですよ。楽しいものなんですよ。そしてすぐできなきゃ意味ないですよね。それで折り紙はですね、例えばクリスマスの時のパーティーですね、色んな所で折り紙をですね、挨拶の小道具に使うんですよ。皆の前で折るのにさ、机なんておかしいでしょ?
由結:確かに!
小林:立って皆で折るのが、それが折り紙の素晴らしさでしょう。
由結:先生は、今も紙を手に、どんどん折り目を付けていらっしゃるんですけれども。かっこいいですよね、自然にできちゃう所が。
小林:商売ですからね。プロってのはそれですよね。だからプロが出来なかったら頭おかしいんだと僕は思ってます。出来て当然。特別なプロのふりしてるのは僕嫌い。
由結:あー!凄い!これは唇ですよね?
小林:そうです。
由結:凄いですね。白とピンクと言いますかね、濃いピンクの紙なので、両面なのでこういうふうに唇の部分が赤くなってるんですね。
小林:そうです。今僕折ったやつね、あれですよ。僕の知ってる限り5人いるんだから。アメリカ・韓国・ヨーロッパ3人。僕が5人と言うことはもっともっといると言うことなんですよ、だから一人と言うことはありえない。創作なんかない。言い切ります。
由結:先生のこの有名なたくさん出していらっしゃる著書の中の「折り紙が泣いている」と言う代表的なご本がありますけれども、この中でもね、著作権のことなんかもね、触れられてますけれども。関心のあるかたはドンドンドンこれをやっていけばいいと言うことなんですね。
小林:そうそう。特許は取れません。取ったふりするんです。だから特許庁に電話すりゃいいんですよ。一番。確認しなきゃ駄目よ。人は言われたらそのまま引っ込んじゃ駄目。そうしないとドンドンそういうのがあるんだなと思わして相手を威圧するんですよ。そんなことがあっちゃいけないですよね。誰の創作なんてありえないですね。自分達が作っちゃうんですね、勝手に。困るんですね、広がんないもん。
由結:そうですね、で元々紙と言うのは、古来から珍重されてそして今までずっと歴史があるわけですけれども、凄く貴重な物を触らせて頂けるんだなって思います。
小林:御幣だってね、お参りする時にさ、縄、しめ縄だ、あれだって折り紙だからね。
由結:なるほど~“折形”ですよね、確かに。
小林:それから天ぷらとか、和菓子。一折りするじゃない。あれが折り紙の心よ。ぺろっと出したらさ、心がないもんね。
由結:確かに。半分にずらして折りますもんね。
小林:あれ、折り紙だから。
由結:あーそうですね。凄く特別に折らなければけないのかと思っていましたが。身近なものを折れるものなんですね。大元は”紙=神様”と言うことなんですよね。
小林:そうそうそう。”紙一重”ってやつ。だけどね、特別に折るようにしちゃうんですよ。時代とともに。
由結:なるほど。
小林:何でもですね、ボスみたいに出てくるんですよ。コントロールしようとするんですよ。それで突っ張って「俺は何々流だ!」ってやって作られたもんですね。だから折り紙は元々は神事ですね。神様から入って”儀礼・マナー”ですね。江戸時代にゲームになるんですけども、マナーの時代もそう。そういうことがあってね、困ったんですよね。足利義満の時代、馬と弓の小笠原流を、そういった弊害無くす為に長にしちゃうんですよ。それからそういうことの無いように、だんだん変わって来たんですね。誰でも独占欲ってのはありますからね、気持ちはわかるけどね。僕は許さない。戦います。
由結:それから、先生はいいものを世の中に広めていくと言う、そんな普及活動をなさっていらっしゃいます。しかも国内外でということですから、海外でもどんどん広がって、おりがみ会館でもこのインターンシップなどで海外のかたが来られてるそうですね。
小林:そうですね、そうです。毎年呼んでるんですよ。何年か前にTVでやったグアテマラの人ね。あれ人気でしたよ。それから去年は南アフリカとかウイーンとかね、そういうとこから毎回呼んできて、こっちが呼んできてレクチャーをするわけですね。
由結:世界から凄く優秀な学生さんが来られているとか。
小林:そうですよ。ナポレオンの作った名門エコールポリティックの人。かなり長い年月やったんですね。2人ずつ一月やったんですよ。
由結:皆さん学んで吸収して、母国に持って帰るんでしょうか?
小林:そうですね、中にはエコールポリティックの人は数学世界一番チャンピオンの人もいたんですね。優秀ですね。
由結:やはり、数学と折り紙と言うものは、相通ずるものがあると言うことなんでしょうか?
小林:そうです。折り紙はね、数学の世界なんですよ、本当はね。今の難しいのはね。ですからそういった面では数学・物理、そういったものは創作じゃないですから、発見ですからね。
由結:なるほど。
小林:だから、数学の人が折り紙をやるとなんて言うかな、必然的にできるものなんです。要するに計算してできるものは誰も同じですよね。結果が同じなんだもん。
由結:なるほど。プロセスがあってきちんと結果が出ると言う。
小林:数学が創作だったら困っちゃう(笑)。
由結:大変奥深く素晴らしい世界ですから皆さんにどんどん広まっていってほしいなと思います。おりがみ会館に足を踏み入れると、まず別世界になってしまいますよね。色んな展示がありますし。
小林:そうですね。
由結:えぇ。私拝見したのが歌舞伎の芝居小屋だったんですけれども、あの大作、あの江戸の町人の一つ一つのちょっとした表情ですとか、役者さんですとか、あれを紙で表現してるっていうのが驚きだったんですが…!
小林:そう。国際的な物、だから今年のさ、ピョンチャン。オリンピックの時にはすぐそばで”月精寺”って言う所で、”日・中・韓の文化オリンピック”なの。オリンピック委員会も繋がってるんですよ。
由結:オリンピックもそうですし、洞爺湖サミットですとか色んな所でも先生はご活動をされていますね?
小林:あ、10年前かな?あの時は洞爺湖は参加国の国旗を鶴で繋がって、それが当時の元首の方の土産ですかね。そうそうそうそう。
由結:もう日本を象徴するものである、この紙と言う折り紙と、そして鶴ですとか国旗ですとか色んなことを表現なさったと言うことですよね。
小林:そうです。あの時は福田貴代子さんがファーストレディーですから自ら折って、元首達のディナーのテーブルへ置いたりね。
小林:自ら作ったんですよ。それでその次の年は菅首相ですから、その時が東日本ですね。その時は福田首相の奥さんは折ってホテルで売って現金100円が石巻に行く。だから心が通ってますでしょ。震災地に鶴送られたって迷惑なんですよ。そういう所よく考えてますよ。素晴らしいですよ、あの人は。
由結:先生はそんな場の監修もなさっておいでです。先程も仰った通りで、本当に”言葉のいらないコミュニケーションツール”だと思いますので、是非皆さんに勉強と言いますか楽しんで頂きたいですね。
小林:そういうことですね。知らない人同士がね、隣り合わせて「ここが違うのよ」と言って教え合う。これが仲良くする。これを”紙ニケーション”って駄洒落ですけどもね(笑)
由結:なるほど!”紙”と書いて”紙ニケーション”と言う。
小林:そうなんですよ。
由結:素晴らしいですね。先生、もう楽しいお話がまた尽きないんですけれども、そろそろお時間になりましたので、それではもう一つリスナーのかたに広くメッセージを頂けますでしょうか。
小林:そうですね、年齢性別問わず。国境はないし、皆わかる。そして手を動かす。足が動かなかったら手を動かす。そうすると皆長生きすると。確実に。身近な人も皆、うちに見えるかたは20年30年の人、それとの出会い。これは実証されてますからね。そういうことで是非健康の為にやってくださいね。
由結:はい、もう先生楽しいお話の数々。そして為になるお話し、本当にありがとうございました。
プロフィール |
東京都生まれ。和紙の老舗「ゆしまの小林」4代目。 |