西田公昭さん 立正大学 心理学部対人 社会心理学科 教授「心が軽く、温かくなる、人生のヒントを」
2019年1月10日放送
西田公昭さん 心理学部対人・社会心理学科 教授 (1)
2019年1月17日放送
西田公昭さん 心理学部対人・社会心理学科 教授 (2)
銀座ロイヤルサロン1週目(2019年1月10日放送)
由結:さあ、それでは本日も素敵なゲストをご紹介致します。立正大学心理学部教授・西田公昭先生です。よろしくお願い致します。
西田:よろしくお願いします。
由結:はい。西田先生は大変お忙しい中なのですけれども、駆けつけて頂きました。まず先生のプロフィールを簡単にご紹介させて頂きます。マインドコントロール問題を中心に研究する社会心理学者。詐欺や悪質商法、カルトやスピリチュアルパワーなどによる被害心理に詳しく、数々の刑事事件や民事訴訟において鑑定人や専門家証人として法廷に召喚されてきました。そして現在慶應義塾大学など複数の大学でも教鞭を執るかたわら、日本グループ・ダイナミックス学会の会長であり、日本脱カルト協会の代表理事、国連安全保障理・テロ対策委員会のグローバルリサーチパートナーでもいらっしゃいます。そんな素晴らしい先生にお越し頂いて、様々ななことを教えて頂きたいと思います。
西田先生は今までにたくさんの事件に関わってこられたと思うんですけれども、何か印象的な事件と言うのはありましたでしょうか?
西田:そうですね。色々ありますね。その中でもやはり昨年死刑が執行されてしまいましたけれども、オウム真理教に関する事件は大変印象深いものでした。
由結:大変な事件でした。先生はどういうふうに関わっていらっしゃったのでしょうか?
西田:彼らが逮捕されたあと、弁護人からの依頼を受けて拘置所に出向いて調査をして意見書を書いたり鑑定書を書いたり、あるいは法廷で証言する。特に彼らがなぜオウム真理教を信仰して、そして刑事事件と云うか、なぜ違法行為に関わってしまったのかの心理的なメカニズムを説明するというのが私の仕事でした。
由結:その事件の中で、特に印象的だったことは?
西田:そうですね。何と言っても学歴の高い方々、とても教養の深い方々が多かったんですね。それでそんな人がなぜ殺人のような、誰が考えても非合法だし、「許されない行為なのに正しいと信じて、良いことをするつもりでそんな事件をしてしまったのか」という心理過程を知るのは、大変興味深いものでしたね。
由結:”マインドコントロール”ですね。先生はこれをずっとご専門で研究なさっていらっしゃいますよね。
西田:そうですね。四半世紀になりますね。
由結:なぜこういったマインドコントロールと言う分野に携わるようになったのでしょうか?
西田:最初は”人間が何を信じるのか”、そして思想として抱いて、活動する個人があり集団があり…。そういったことが関心のあることだったんですね。そして歴史が好きだったものですから、日本に限らずですけれども、世界の中でいろんなリーダーが現れて、人々を付き従わせてしまって、戦争などが起こったということもあるでしょうし、あるいは社会が喜ぶようなこともしてきたり…。たとえば、世界遺産のようなものも作ったり、とか。そんなことも全部、思想とかイデオロギーとか、そういう信仰とかに関わると思うんですね。だからそういった意味で、人は自由で自分の意思で何でもかんでも動いているように思っている人も多いかもしれませんけど、そうじゃなくて、人と人との関係の中で自分の意思を作って、正しいこととか、良いこととか、あるいは誤りだとか、そういう判断をしながら生きているわけなので、そういった人間の営みと言うのを心理学から研究するのが面白いんじゃないかなと、一生やり続ける価値があるんじゃないかな、と思ったんですよね。
由結:なるほど。人は同じような考えや行動をずっと今に至っていると言うことですか?
西田:そうですね。私が思うには何か共通のメカニズムがあるんじゃないかと。つまり「信じられると判断できる」とか、あるいは「これは信じちゃいけない」とか「間違いである」と判断をする基準は、実は多くの方々に共通したものがあるだろうと思うんですね。また、その基準に沿って誰か他人が与えてしまうと、マインドコントロールになってしまう。つまり「こういうふうに言えば信じてくれるだろうし、ついてきてくれるだろう」とわかっていて、他人の心を操作してくるわけですよね。
由結:なるほど。
西田:だからそこの意味では、それに気づくことが、自分の自由を守ることには大事ですけれども、一歩間違うと、マインドコントロールされてしまうと言える危険な状態ですよね。そういうこともあるだろうなと思うのです。
由結:そうですね。世の中にはそういうふうに”支配する側”と”される側”、”洗脳する側”と”される側”の2種類があって、どちらに回るかと言うのは紙一重と言いますか、その人の資質によるのでしょうか?
西田:そうですね。そういうふうにも言えるでしょうね。だからやっぱり気をつけてないと、いつのまにか相手に支配されてしまうことはあるだろうし、逆につい、人を支配してしまうこともあるだろうと思いますね。
例えば世間で起きてるDVのような事件と言うのは、異性同士なんかでよく起こっていることですけれども、男性が女性を、あるいは女性が男性を、支配するという、やはり自分の望みを叶えようとして、相手に無意識的に働きかけて他人をコントロールしているとも言えるし。誰かが、政治や商売みたいなものもそうだと思うんですけど、やっぱり他者や大衆を支配する、あるいは支配されるというようなことが起きていると考えると、そういう意味では大きな集団の話にも繋がりますが、身近にあることなんですね。
由結:なるほど、そうですね。ですから例えば優秀なビジネスマン、営業マンが、もしかしたらそういったテクニックを知らず知らずのうちに使っていると言うようなこともあるのでしょうか?
西田:その通りですね。そこに”倫理的な行動”というのをどこまで考えるのかと言うことは、実はまだ、あんまりこれまで考えられていないですね。ですけど、これからはそういうことも考えなきゃいけないんだろうと思うんですよ。その為にも”される側”としては、「ここからは嫌だ」と言えるような判断ができないといけないので、社会全体がこういった知識を持っていないと、良いも悪いも、正しい行動は決められない。今まではどちらかと言ったら、こっそりやったもの勝ちみたいなところがあったんじゃないかなと思うんですね。
由結:あー、そうですか。知らない間に洗脳されていたと言うこともあるわけですよね。
西田:そうですね。大切な”自由”を守る為にも、自分がどのような時にどのように支配されてしまうのかがわかっていないと、闘いようがないんですよね。
由結:そういった方程式が、先生の研究の中であるわけですよね。
西田:一応そうですね。自分なりに、理論化してきたつもりではいます。
由結:また、先生は”テロ対策本部”と言うところに関わってお仕事もされていますが、先程の話に繋がってくるようなお話はありますか?
西田:もちろんありますね。ですから支配されていると言うことに気づいて、そこから脱却すると言うプロセスが重要なわけですね。
由結:脱却する?
西田:つまり、もう一度自分自身を取り戻して、自分で判断するようになることですね。相手に支配されている時は、ある意味むちゃくちゃと言うか非合法であったりして、例えば殺人のようなものでさえ肯定しているわけですね。「正しいことだ」と信じてですね、それを「誤りだ」と言うことに気づいていくことが大事なわけですよ。つまり今までの対策ですと、どちらかと言うと、そういう”危険な思想”を持っている攻撃的な人・暴力的な人は逮捕して囚人としておくとか、あるいは場合によっては処刑さえしてしまうような、そういう…言わば”根絶やしにするような作戦”と言うような対策が歴史的に多かったんですけども、いくらそんなことをやってもですね、”思想的な”共有するものは、消えないんですよ。
由結:そうなんですね。
西田:世界中に同じような過激な考えかたの人はいますし、こっそりそういう人たちが新しく自分の思いを遂げようとして活動されるとですね、いくら対策しても、それはきりがない。それよりも、暴力によって物事が解決することができると言うこと自体が幻想だと理解させて、その気持ちを相手にどう交渉して、つまり元の自分自身、元々人間そんなに多くの人が破壊的で暴力によって世の中変えてやると思ってるわけではないんですよね。オウム事件なんかまさにそれで、常識的で教養のある方々だったんです、元々はね。それがそういうことやってしまったわけだから、そこが元に戻せるような心理のメカニズムを理解すれば、世の中はもっと平和的な解決ができると。最終的な解決方法がそこにあるんですね。
由結:根本的に解決する!
西田:そうです、そうです。だから実は、国際連合安全保障理事会でも、今までの対策のやりかたに対しては無理があることに気づいてきてるんです。そしてこれからは、要するに問題を起こす前の元の人格がありますね、過激な人にさせない方法、それでまた過激になった人を元に戻す方法、こういった目的のコミュニケーションを社会の中で醸成していくほうが大事だと。そういう人を逮捕したり、罰したりしたところで、これはいくら経っても終わりがない戦いになり、恨みに対して恨みを買うだけじゃないか、と云うところにやっと気づいてきたんですよ。わずか10年前ですよ、これ。
由結:最近なんですね。
西田:はい。その意味では世界史の中で理解が変わってきたことかなと思えるんですね。画期的な発想に変わってきたんじゃないかなと思うんです。まだそういった考えに至っている人々が多いわけじゃないんですよね。実は、こんな対策のアプローチは、サウジアラビアとかでは始まっているようですけれども、まだヨーロッパやアメリカは、それを受け入れているようでもないですし、日本人はまだそういった意味ではどういうふうにあるべきなのかといったことが議論さえできていない状態ですね。しかし特に国際テロリズムのような問題は、日本社会も決して関係ないわけじゃなくて、東京オリンピックが近い今ですし、いつどこで起こるか分からないんですよ。
由結:そうですね。安全に海外旅行に行こうと思っても、中々難しい時代が来たのかなと思ってはいますが、まだそこまで危機感を持っていない人が多いでしょうね。
西田:今まで自由に旅行できたり、好きなところに我々行けたんだけれども、そういったことさえもできなくなると思うと、他人事じゃない話なんですね。暴力的なことが起こる起こらないとはまた別に、我々の自由な活動を阻害されてしまうと言うことは、当然それは幸せの問題とか、あるいは経済的な活動とかにも影響しますよね。
由結:お話が尽きないのですけれども、時間が来てまいりましたので、是非この続きを次週お聞かせ頂きたいと思います。
西田:ありがとうございました。
銀座ロイヤルサロン2週目(2019年1月17日放送)
由結:さあそれでは今週の素敵なゲストをご紹介致します。立正大学心理学部教授・西田公昭先生です。よろしくお願い致します。さて、先生のご専門と言うことで先週もたくさんお話聞かせて頂いたのですが、”カルトのマインドコントロール研究”そして”詐欺・悪質商法の心理学研究”など、本当に大切な分野をご研究なさっているのですが、大学でも講義をたくさんなさっていますよね。学生さんの反応などはいかがですか?
西田:そうですね。基本、犯罪がらみの心理学は人気があるもののようですね。どこへ行っても、そういう意味ではたくさんのかたが関心を持って聞いてくださっていると思います。
由結:前回は”カルト宗教”をはじめとする、”支配する側”のお話と”される側”のお話なども伺いました。それから、最近よく言われる”架空請求詐欺”に”オレオレ詐欺”なんて言うのもありますけれども、これ「自分を引っかからないな」と私も思ってるんですが、こういう人はどうた対策すればいいのでしょうか?
西田:そうですね。よくそこからなんですよね。実は”騙されてない人はいない”し、”騙されたことのない人もいない”はずなんです。
由結:はー!なるほど。
西田:ただ私たちはどうも「自分だけは関わっていない」と思い込んでるんですよね。実は、人は騙されていても、気づかない場合も多いんですよ。例えば、生涯ずっと騙されたままの方だっていらっしゃると思うんですよね。だから、それで、気づいていないので、「自分は騙されてない」と言ってるだけで、それはただの”錯覚”と言うことになりますよね。
由結:確かに、そうですね。
西田:人間はそもそも”信じるようにできている”んですよ。他者を信じないと生きていけないはずです。そもそも信頼というのは、社会の要として歴史の中でずっと大事にしてきたはずなんですね。ですからその意味では、信じるというのは本当に誰にとっても大事なこと。それで、それによって、いちいち細かいことまでチェックして、信じられるかどうかなんて確認せずに、「とにかく君のことを信じるよ」「ありがとう」と言うような相互関係で、社会は成り立ってきたんですね。そうしないと、「もしかしたら…」というふうに疑心暗鬼になってきますと、経済活動どころか人間関係も全部破綻します。つまり、社会が成り立たないんですよ。これは、日本社会だけじゃなくて、世界中がそういうクレジットと言う概念のもとに共有して、信頼関係で成り立っているのが現在の資本主義なんですよね。だからそれを言わば考えたらですね、誰も「信じない」なんて人はいないはずなんです。
由結:そうですね。
西田:だから、それを逆手にとれば”騙せる”んです。だから騙したほうがずっと悪いし、騙されたことに気づかなくてもその人が悪いわけではありません。騙したほうが悪いので、その人に責任を取らせなきゃいけないんですよね。
由結:あー、なるほど。”騙す側”もその人自身が「騙している」と言う意識があるのか、それとも「ない」場合もあるのですか?
西田:両方ありますでしょうね。だけど要するに”人を不幸にする”とかではなく、”気遣いをするとか、そういう時に使う嘘とか騙しというのは、ある程度は許されると言うか、ある意味ではそれがないと、社会はまたうまくいかない。例えば、歳を取ってきてですね、健康が心配なときに、「お前は、もうじき死ぬだろう」とか「お前は、仕事で大失敗するぞ」とかいうようなこと言われたら嫌じゃないですか。
由結:はい、そうですね。傷つきます。
西田:それから、ちょっと身体の調子が悪い時でも、「きっとそのうち良くなるから」とか「顔色いいよ」なんて気休めの言い草も、これ”嘘も方便”ですよね。それでそういうようなこと考えると、我々の社会で、嘘も方便もいっぱい使ってるし、騙し合ってて、それを信じることによって”幸せ”になれている。いちいち疑っていたら、嫌な生きにくい世の中なんですよ。そういうこと考えると、「逆手にとって自分だけ得しよう」なんて考えをやっぱりさせちゃいけない。本当にそう思います。
由結:要は使う側の倫理観の問題なのですね。
西田:そうです。ですから、騙されたことのない人はいないんです。ある意味騙したことがみんなあるんです。だから、そこを自覚することからスタートして、私の考えでは、とにかくお金に関わることとか、生命に関わるような大事な時には、”信じる前にやっぱり確認は必要な時代”なんだろうなと思います。
由結:重要な局面と言うのはある程度限定して「こういう場面では」と言うふうに位置づけておくことが大事ですね。
西田:そうですね。つまりですね、四六時中注意なんかしてられないです。会う人会う人のすべてを疑っていたら、すぐに疲れ果てて、本当に毎日がつまらない人生ですよ、それは。体も心も破綻しますよ。ですから嘘でも何でも良い話なら信じればいいんですよ、基本は。だけどもお金を出さなきゃいけない時には「この人信じていいのか?」とやっぱり考えてほしいだけなんですね。それで、よく知ってる人だとしても、それは大丈夫じゃなくて、よく知ってる人が既に騙されていることもあるので、とにかく”お金を出す時”とか、その判断が”生死に関わるような大事な時”には「待てよ」と…。いろんな点からよく考えて、総合的に判断して行動しようと。調子に乗って、「よいしょ」と思わずやってしまうのは危ないと言うことですよ。
由結:と言うことなんですね。そこの線引きを今教えて頂いたので、我々も生活しながらその部分を気をつけていれば、安全に過ごせるようになりますね。
西田:とにかく”お金の話が出たらさしすせそ”と。料理のように。
由結:”さしすせそ”ですか?
西田:はい、料理と同じように、もちろん、お砂糖とか塩じゃないですけどね。だから、”サッと警戒しましょう”、”しっかりと調べましょう”と。それで、”スパッと見抜く”。”せ”は、精一杯、気持ちを我慢をする”んです。感情にほだされず、自分をコントロールする、です。
由結:確かに。流されてしまいますよね。
西田:そうです、そうです。それで最後に、”そ”。それは、即、誰かに相談する”んです。この”さしすせそ”が重要ですね。
由結:なるほど~素晴らしい!
西田:それで、日頃は気にせずに、人を信じていいと思います。このメリハリのある思考のほうが、人間の心理にかなっていて、つまりずっと、資源と言うか、エネルギーを消費していたら、やってられないのです。人は、省エネで生きようとするんですね。それで特に大脳は、身体で一番エネルギーを使うところなんですよ。だから、すぐに、どっかの番組じゃないですけど、ぼーっとしちゃうのは当然なんですね。だからぼーっとしていいんですよ。だけど、ここぞ、という時には、集中して考えなきゃいけない。その時が”さしすせそ”なんですね。
由結:はー!そうなんですね!だから脳も許容範囲があるので使い分けて、ここぞと言う時に使えるように。
西田:そうです、そうです。その方が良いですよね。実は警察の方とかは、ずっと注意して、とか、気をつけろ、と割とそういう言いかたをするんですよね。「注意さえしていれば騙されないだろう」みたいな。
由結:確かに。
西田:だけど、それは、無理なんです。
由結:お聴きして、気分が楽になりました!
西田:やっぱり人を信じたほうが、私は絶対に、幸せだと思うんですよ。
だから「いつまでも若いですね」と言われたら、「ありがとう」と言っておいたほうがいいじゃないですか?
由結:あはは(笑)確かにそうですね!
西田:「本気かな、この人?」なんて…、「何か裏があるんじゃないの?」というように疑うのは、つまらない人生になってしまいますよ。
由結:そうですね。ちなみに、先生はこういった心理学の面をずっと、社会心理学の面に携わってこられて、やっぱり人と対峙する時なんかに色々と考えることと言うのはあるんですか?
西田:いや、僕自身、本当にそういうのは考えてないだろうな。言われたことを「そうなんだ」と素直に受け止めるのがいつものパターンですかね。
由結:例えばこういった詐欺事件を多く扱っていると、信じられないような出来事も起こることもあると思うのですけれども、それも割と中庸と言うか、引いた感じで見られたりしているのですか?
西田:ある意味、騙されてもしょうがないと思ってますね。「多分、騙されてるだろうけど、まあ、いいか」ぐらいに思ってますね。だから、それでひどい目に遭わないようにはやっぱりしたいので、大事なときだけは、しっかりとしなきゃとは思ってるんですけど。
由結:やっぱりポイントがあるんですね。
西田:ついうっかりすること、人間には誰にでもあるものなので、それを責めちゃいけないと思うのですよ。でも実際、結構、皆さん責めるんですよね、何かあると。「ほらごらん!」みたいな話になるのです。でも、ずっとしっかりしているのは、心理学的には無理だと説明できるのです。
由結:そうですか、もう説明がついてしまうわけなんですね。先生はこの分野にずっと関わって来られているのですけれども、これからの社会への提言を頂けますか。
西田:そうですね…。本当に、信じるとか信じないと言うのは大事なことだと思うんです。その為にはやっぱり自分自身が信じることが出来る時には、何が必要で何がいらないのかみたいな判断をつけないといけないので、やっぱりその心理学も含めた”信じる・信じないのメカニズム”を含めた勉強をして、これからの自由な社会とか豊かな社会はどうあるべきなのかをですね、人に委ねるのではなくて自分で考えて自分の意見を出していくことが大事かなと思います。どうしても人間は楽をしたいから、誰かすごい人がいれば、その人に任せて自分はついていく、と云うふうにしちゃいたい気持ちがあるんですね。それは、”服従する”とか”支配される”と言う意味なんだけど、それはまさに”信じる”ことによってそれが実現することもある。そういう意味では、信じる人が、本当に立派だったら良い社会を作ってくれたり、成功することもあるかもしれないけれども、でもそれは、やはり無責任で、危険な生き方かなと思いますね。実際にそんなふうに見えて、他人を騙して支配して、自分の都合のいいように支配しようとする方々が、世にはいると言うことですね。
由結:と言うことですね。そういうかたもいるんだと言うことを自覚して、自分で考えると言う習慣をつける。
西田:そうですね。自分の周りにたくさんいる、とは言わないけども、どこかにいますので、それが自分のすぐ身近にいるかもしれないと思うと、そんなに呑気にしてられないはずなんですけれども、私の考えでは、”日頃は呑気にしてていいんだ”と言うか…。
由結:なるほど。メリハリが大事と言うところですかね?
西田:そう!そこですね。
由結:先生、大変勉強になりました!
西田:いえいえ。
由結:最後にリスナーの方に向けて一言、メッセージを更に頂けるとありがたいです。
西田:そうですね。世知辛い世の中になってしまってますけれども、希望を持って未来を作っていきたいと。その協力をお互いにしませんか、と思います。
由結:はい。ありがとうございます。素敵なメッセージを頂きました。西田公昭先生はテレビなどたくさん出ていらっしゃいますので、ぜひチェックなさってみてください。先生、本日は本当にありがとうございました。
西田:はい。ありがとうございました。
プロフィール |
マインド・コントロール問題を中心に研究する社会心理学者。 |