川瀬美香 監督「奇跡に支えられた映画監督」
銀座ロイヤルサロン1週目
目次
映画『長崎の郵便配達』について
由結:それでは、本日の素敵なゲストをご紹介いたします。まずお一人目は川瀬美香監督です。そしてもう一方、重要無形文化財総合指定保持者、能楽師 囃子方大倉流大鼓、文化庁日本遺産大使でいらっしゃいます、大倉正之助先生です。よろしくお願いいたします。
大倉・川瀬:よろしくお願いします。
由結:本日は待望の映画『長崎の郵便配達』について伺いたいと思います。
川瀬:待望かな(笑)ドキュメンタリー映画です。
由結:はい。公開がとても楽しみです。そして、本日は大倉先生が駆けつけてくださっているのですが、どういった経緯なのかお伺いしてよろしいですか。
大倉:はい。実はこの映画ができる前に、川瀬監督は『紫』というドキュメンタリー映画で吉岡先生という染色の代官のお方のドキュメンタリーを撮っていらっしゃった。それで川瀬監督と出会ったんです。日本の伝統である先染めなどについての映画。日本の伝統文化を継承していらっしゃる作品に私も関心を持っていたんです。そして、『あめつちの日々』という作品でも、焼き物や日本の伝統文化に対して非常に関心高く、それらを映像におさめてらっしゃるってことがわかったんです。
そうこうしていると、今度はこの『長崎の郵便配達』という映画がようやく完成するというお話を伺いました。完成間際の視写を拝見したときに、私は非常に感銘を受けました。これは私が非常に求めているものでしたし、これを世に広めることを少しでもお手伝いできたらと思っていました。
本当は昨年の8月9日、長崎の日に、地元の学生たちが自主上映という機会を作られて、長崎の県立美術館で上映会の計画がありました。そのときに私が応援団として、映画が多くの方々に見ていただけるようにと、オープニングで鼓を演奏して打ち開きをすることになっており、私は長崎に行く準備をしていたんです。長崎、広島という、日本が唯一の被爆国としての立ち位置があるということを、前々から私も考えていたためです。そんな流れで今日に至りました。
由結:そうなんですね。川瀬監督はこの映画を手掛けるにあたっていろんな奇跡がおありだったとか。
川瀬:はい。まさに奇跡ですね。完成したことも奇跡ですし、このように今年の夏に公開されることになったということ自体もそうだと思ってますね。
由結:この作品の見どころを教えていただけますか。
川瀬:もちろん、長崎の原爆被害にあった少年を描いた本がモデルということであるからそういうシーンは出てくるんですけれども、実は、国や立場を超えた友情であったり、父や娘の関係性であったり、そういったものも込めたつもりです。
映画製作までの道のり
由結:実際にキャスティングとして、イザベル・タウンゼンドさんが来週来日されるそうですが、イザベルさんとの出会いについて教えていただけますか。
川瀬:はい。ピーター・タウンゼンドさんは元となった本の著作者なんですが、彼はもうすでに亡くなってらっしゃったんですね。もういない、不在だということは理解していたので、家族を探したんですよ。そしたら何人かお子さんがいらっしゃって、イギリスとフランスに渡っていて、「うわーいらっしゃるな」と思ったんですよね。でもちょっと有名なご家族でいらっしゃるから、「こんにちは」なんていうコンタクト先がないんですよね。ということで、インターネットを使って探しました。
由結:まあ、そうなんですか!では、雲をつかむようなお話から始まったんですね。
川瀬:普通そんなことしませんよね。
由結:その段階に行くまでに、まずは稜曄さんとの出会いがあったわけですよね。そのあたりもお聞きしてよろしいですか。
川瀬:はい。そもそもこの本を紹介してくれたのは稜曄さんなんです。2014年に東京の浜松町で会いました。どうしてこの本を紹介してもらったかというと、もう絶版になっていてないから再出版してくれる出版社を探していると。それを聞いて「ご本人か」と思いました。皆さん、ご存知ですよね。『赤い背中』の、長崎では有名な写真になっている彼が生きてらっしゃったんだと、そのとき初めて知ったんです。その本人がどうしてその本を再出版したいのかっていう理由が聞きたかった。だから会いたいということで、それで会わせていただいたんですね。
由結:実際にお会いになっていかがでしたか。
川瀬:うーん。最初は怖かったですね。被爆者っていう、そういうふうにくくるのはよくないんですけど、被爆された方に会うことが初めてでしたし、どんな感じかわからないし。そしたらスーツ着てタバコ吸ってる紳士がいたわけですよ。
由結:そうでしたか。イメージとちょっと違ったんですか。
川瀬:全然違いました。スパーってタバコを吸ってる紳士がいて、約束の時間と場所になったらフッと現れて、「ああ!」と思いました。その本の再出版をなぜ願ってらっしゃるかを聞いて、自分の中でそれは処理ができたものですから、1~2年は出版社を探すことに時間を使いました。
由結:1~2年もかけたんですね。
川瀬:それでも、いなかったんですよ。
由結:ちなみに、大倉先生はそのときは?
大倉:いや、そのときは知らないですよ。いろんなところで、実はパリでもすれ違ったり行き違ったり、行く先々で実はニアミスしていた、と。
川瀬:そうでしたね(笑)。
大倉:イヴリー・ギトリスのところにも同じタイミングで彼女は来てたりして、だから前後して。そして、パリで僕がいつも滞在先にしてるところでも…結構同じところを歩んでたみたい。
川瀬:そのイヴリーのところに行ったのは、イザベルに会いに行った翌日なんです。
大倉:そうね。だから本当にそういう縁は感じるところなんです。
数々の出会いと別れを経て
由結:不思議なご縁ですね。このような不思議な出来事がこの映画制作の中でもいろいろおありだったとお聞きしてます。
川瀬:はい。侮れませんね。
由結:例えばどんなことがありましたか?
川瀬:たくさんあるんですけれど、実は谷口稜曄さんが「映画撮るか。ようやくやってみるか」と思ったころに亡くなるんですよ。
大倉:ご本人がね。
由結:もうずっと追いかけていらしたのに…。
川瀬:亡くなっちゃったんですよね。全然カメラは回してないんです。
由結:カメラ回してない、全くノーフィルムで?
川瀬:会うだけでした。さあ、っていうときに亡くなって、自分が1カ月間、長崎の夏を体験しようと思って8月1日から8月30日までチケットを買って長崎に行っていたときに、8月30日に亡くなっちゃったんです。
由結:そうだったんですね。ショックですよね。
川瀬:やっぱりガーンと来ましたね。これは無理と思ってがっくりと肩を落として帰ってきたんですけれど。
由結:映画も諦めようかというお気持ちで…?
川瀬:はい。もう無理と思いました。今から思うと、稜曄さんを中心に考えすぎてたんですよね。
由結:そこで何かヒント、アイデアが生まれるんでしょうか。
川瀬:アイデアは持っていたけれど生まれなかった。でも、フランスでピーター・タウンゼンドが1982年に長崎に取材に行ったときの録音テープが出てきたんですよ。
由結:ええ!録音テープが!?それってなかなかないことですよね。
川瀬:ご家族も知らなかったの。なぜそれがわかったかというと、8月1日から30日に長崎に行ってる間に、唯一ピーターが長崎に取材に行ったときに生きていた通訳の方に、「そのときどうだったの?」みたいなことを伺いに会いにいったんですね。そしたら彼がこう、口元に手をやるんです。なんだろうなと思っていて、「それなんですか?」って聞いたら、「いや、彼はこうやってテープ録ってたんだ」って。
由結:その記憶を思い出されたんですね。
川瀬:「あっ」と思って、慌ててイザベルに連絡をして、「こんなこと言ってるんだけど、ちょっと探してみてもらえないか」って言ったら、1~2週間後、「あった」って。タウンゼンド家もみんな驚いたそうです。
由結:すごい鳥肌が立ってきました。
川瀬:亡くなってもうすでに何十年か経ってるお父さんの声がそのときによみがえってきた。
大倉:肉声がね。
由結:そうですか。これって何かメッセージだなと…。
川瀬:イザベルはそう思ったらしいんです。
由結:お嬢様の意思もそうですし、監督の思い、それが通じたのかなという気がしますけれど。
川瀬:私はそんなに思いないんですけどね。ただ、そういったタウンゼンドの声が現れるとか、稜曄さんの声が現れるとか、迫ってくるものが多かったですね。その映画に必要なものがその時期になると現れる。
由結:これって狙ってやってるってことじゃないですもんね。
川瀬:無理ですね。
大倉:無理でしょうね。
由結:そうですよね。大倉先生の周りでもきっとこういったことは日常茶飯事でありそうですよね。
川瀬:ありそうですね。
大倉:いやいや。まあでも、そういう引き寄せっていうか、そういうものは自然体で流れが自ずとできてくる、そういうときってあるんじゃないですかね。そして、やっぱりこう、亡くなった方々なんだけど生きてるんだなって僕は思いますね。
由結:生きていると感じるんですね。
大倉:そうですね。死んで終わりじゃない。それは日本の能もそうであって、みんなもうこの世にいない人たちが作ったメッセージを発信してるっていうか、そういう世界っていうのが確実にあるんだということを、僕はこの『長崎の郵便配達』を見たときに確信を持ちました。
由結:そうなんですね。そんな確信が感じられるような映画だと?
大倉:そうそう。映画を見ればわかります。そこにはやっぱり、そのタウンゼンドさんも稜曄さんも生きてる。だからすごくそれが伝わってくるから感動もするし見た人が理解高まっていくものだと思うんですよね。
由結:なるほど。先ほど監督にお聞きしたときに、この映画でお嬢様でいらっしゃるイザベルさんに言葉を発していただくときにも、なるべくシンプルな言葉を使うように心がけているとお聞きしましたが、このあたり少しエピソードを聞かせていただけますか。
川瀬:「ドキュメンタリーだから失敗はなくて、好きに話していいよ。話してください。だけど、ヨーロッパ人風の言い回しの長いものは嫌なんだ。直球でいこう」っていう話はしましたね。「もうちょっとシンプルにストレートにいきたい」と伝えました。
由結:そうですか。すでに映画をご覧になった皆様の反応がいかがでしたか。
川瀬:長崎でもそうなんですけれど、長崎、広島で、原爆が出てくる映画を視写というか、その形で見てもらうことってやっぱりちょっと緊張するんです。これは大変なことなんで、それなりに覚悟していくんですけれど、ちょうど昨日、広島で学生試写会をやっていただきまして、心配だったんですけど、なんとなく上映後に皆さんの顔つきを見ると穏やかでした。
昨日、映画の視写が終わったあとに舞台挨拶のような状態で先生と一緒にステージに上がらせていただいたんですけど、見ると、学生上映会だから中学生、高校生がいるんですよ。その子たちが、うんうんってうなずきながら聞いてるの。
由結:そうですか。学生の皆さんはもちろん、お子様から、そしてお年を召した方まで、本当に心にしみるという映画だと思います。お話をまだまだお聞きしたいんですけれども、お時間がきてしまいました。
この映画が8月5日よりシネスイッチ銀座、それから新宿バルト9でも公開になります。そしてそのときに大倉正之助先生が大鼓を奉納してくださるということですので、ぜひ皆様楽しみにしていただきたいと思います。この映画の情報は、『長崎の郵便配達』で検索するとよろしいでしょうか。
川瀬:はい。出てきます。
由結:はい。ぜひ皆様ご覧になってください。
大倉:ぜひごらんください。
大倉・川瀬:よろしくお願いします。
由結:よろしくお願いいたします。それでは、お二人にはまた次週もご登場いただきますので、よろしくお願いいたします。
大倉:よろしくお願いします。
川瀬:よろしくお願いします。ありがとうございました。
由結:ありがとうございました。
銀座ロイヤルサロン2週目
声診断コーナー 川瀬美香監督
由結:今週は声解析・声診断コーナーです。クォンタムヴォイスアカデミー稲井英人学長が担当するコーナー。これまでに25000人以上の臨床データのある声診断ソフトにより、ゲストの方の声の波形を読み取り、その方の個性・能力をひも解いていきます。本日のゲストは川瀬美香監督です。よろしくお願いいたします。
川瀬:よろしくお願いします。
由結:では、稲井学長、よろしくお願いいたします。
稲井:はい。よろしくお願いします。緊張してる監督の声でスタートしました。
川瀬:いや~これすごいですね。
稲井:はい。面白いですよ。人のしゃべりをドレミファソラシドに置き換えまして、ドの周波数、レの周波数とかあるじゃないですか。「こんにちは」っていうものを、それを12色の色と波形で可視化して、それが人に与えてる印象とか持ってる才能とか、そういうのをひも解いていきます。心のレントゲンですね。じゃあちょっとこれつけていただいて、普段の会話をするだけですからね。
川瀬:はい。わかりました。どうなるやら(笑)
稲井:(笑)。こういうの初めてですか。
川瀬:はい。
稲井:そうですか。映画を撮るときの緊張とこの緊張とどちらが緊張あります?
川瀬:緊張?こっちかな。
稲井:そうですか。僕は黙ってますので、12秒ずっとしゃべっていただくんですが、今回のこの映画に関して、ご自分なりのいろんな奇跡で今日まできてるんじゃないですか。これご自分で何か感じてるものはありますか。
川瀬:いろんな人が参加してくれてる感じがします。私だけではなく、スタッフだけではなく、もちろん目に見えないものとか天気だとか気温だとかも含め。
稲井:なるほど。わりと昔からそういうような生き方をしてるタイプでした?それとも今回に限ってですか。
川瀬:今回に限ってです。
稲井:とりわけどういうところがそう感じられます?
川瀬:だって、制作の始めの時点から無理なんですよ、これ。全く無謀なところでしたし、完成できただけでもすごいねっていうことだったんです。しかも今回公開することになったでしょ。もう絶対おかしい。やっぱ自分の力だけではないのは明確ですし、かといって、経済力とかそういう話だけではないんですよ。何かほかのもうちょっと、暗くはないんですけど、明るいイメージがあるような気がしますね。
現場型のレッド系
稲井:なるほど。これですね。こういうふうに出ました。
川瀬:今の声の状況ですか?
稲井:はい。ずっと声録ってるんですね。とりわけ、わりと静かなエネルギーの方なんですね。外に出てるこの色と波形が周りに与えてる印象とエネルギーなんですね。このコーラルレッド。このレッド系。わりと現場型で、現場で感じながら動くタイプのような感じを感じますね。そして、あとは内側と表現するんですが、外に聞こえてる声が人に与えてる印象だったり能力・才能だったり、ある意味人生のポジションだったりするんです。現場でリアルなものがお好きな方みたいですね。ご自分でどう思います?
川瀬:うーん。そうかもしれませんね。
無から有を作り出すアクアブルー
稲井:あと、ご自身の体の内側がどう響いてるかなんですけど…。
川瀬:あれ、変な形。なにこれ?
稲井:これはアクアブルーって言いまして、これって無から有を作り出す、ないものを作り上げるアーティストの資質なんですよ。見えないものを感じ取るものがあったり、あとよくシンクロニシティっていうじゃないですか。それを起こりやすいタイプではあります。
川瀬:本当?
稲井:はい。そんなように声に出てますけど。
川瀬:変な形ですね。
稲井:変ですか(笑)。これは波形がバランスが悪いほうが個性的なんです。ある意味では。
川瀬:そうなんですか。偏ってますね。
稲井:はい。これとってもいいことなんです。ご自分でどう思われます?
川瀬:うーん…シンクロニシティね。あんまり考えたことないですね。ですが、今回の作品のときにはそういう力にお世話になったかもしれない。
天からの守りのバイオレット
稲井:ですよね。今度はバイオレットでましたね。バイオレットっていうのはちょっとスピリチュアル的な表現になっちゃいますけど、天からの守りがあるときってこういう波形が出るんです。
川瀬:それ最高ですね。嬉しい。
稲井:はい。これは出そうと思って出るものじゃなく、自然にしゃべってて天に向かって感謝をしたり、そういうときこういう波形が出るんですね。やっぱりずっと感謝されてるんじゃないですか。ご自分でどう思います?
川瀬:自分じゃ何もできないですからね。
稲井:いい意味で手放してますよね。全然執着を監督からは感じないんです。
川瀬:持ってないんですよ。何にも。
稲井:ですよね。そこがすごいなと思います。本当にある意味天のままに動かされるタイプのバイオレット。
川瀬:結構単純ですね。
稲井:これ、とってもいいことです。単純な人のほうが天からかわいがられるらしいですよ。だから大倉先生のような方がサポートに入ってくるんです。
川瀬:ありがたい。
ぶれない信念の持ち主のゴールド
稲井:引き寄せてますね、この波形。内側にはゴールドはちゃんと信念の持ち主なんです。ぶれない。なんだかんだって頑固なところもあるんです。
川瀬:それはいい意味で?悪い意味で?
稲井:もちろんいい意味ですよ。これって自分がこれだって信念がないと周り動かせないもん。
川瀬:ちょっと安心しました。
稲井:これが内側のほうに隠れてます。コマの中心軸のように。
川瀬:なんだろう、これ。出るんですね、声から。
稲井:出ます。いやー、なるほど。一つの秘密がわかりましたよ。
由結:いや、監督いかがでしたか。
川瀬:面白いですね。何?これ。
由結:(笑)。本当にご自分を映す鏡なんですよね。
川瀬:困ったもんですね。結構単純ってことですかね。
稲井:(笑)。実は単純な人のほうが人生うまくいくパターンが多い。
川瀬:ベストですね。
稲井:はい。本当にシンプルイズベストです。
川瀬:ありがとうございます。
稲井:いやー、これからが楽しみです。
由結:これは監督の手掛けられた映画に反映されてると考えていいですよね。
稲井:だと思いますよ。本当に天の意が働いてるとしか思えない。どうもありがとうございました。
川瀬:ありがとうございました。
由結:ありがとうございました。『長崎の郵便配達』、とても楽しみですね。
稲井:楽しみですね。
由結:どうもありがとうございました。
川瀬:ありがとうございます。
稲井:ありがとうございました。
銀座ロイヤルサロン3週目
声診断コーナー 大倉正之助先生
由結:本日は声解析・声診断コーナーです。クォンタムヴォイスアカデミー稲井英人学長が担当するコーナー。これまでに25000人以上の臨床データのある声診断ソフトにより、ゲストの方の声の波形を読み取り、その方の個性・能力をひも解いていきます。本日のゲストは重要無形文化財総合指定保持者、能楽師 囃子方大倉流大鼓、文化庁日本遺産大使でいらっしゃいます、大倉正之助先生です。よろしくお願いいたします。
大倉:よろしくお願いします。
由結:それでは、稲井学長、進めていただきましょう。
稲井:はい。じゃあ、先生、よろしくお願いします。
大倉:はい。よろしくお願いします。
稲井:今回のこの映画に関しての大倉先生の思い入れとエネルギーを私すごい感じたんですけど、普通は人に見せないところに先生がたまたまお越しになって見て、何か感じたものがあったんですか。
大倉:やっぱりこの映画の持っている力というのは、そこにタウンゼンドさんとそれからピーターさんと、この二人が生きてきたという人生そのものが、本当にこれは脈々と流れているというか、そういうものをやっぱり感じたんですね。そういう意味でこの作品というのは、例えば能で言えば、『敦盛』などの名曲がありますが、それは過去に実在した戦国時代の武将たちが、そのあり様、生き様を能に仕立てられている。そこに舞い手や囃子がこれを一つ演じることでそこに魂が入ってくるんです。ですから、そういう存在っていうか、映画でそういうものを感じたというのは、僕はあんまりないんです。
稲井:僕の前からの先生の印象、実は動物的なすごい直観力をお持ちだと思ってまして、先生が感じたものっていうのは、恐らくこの世に広めなければならないものなんでしょうね。
大倉:それはすごく感じましたね。だからもう本当に一人でも多くの人にこの作品を見てもらいたいし、そこからメッセージを受け取られて、その人一人一人の各々が持っている、やはり使命というか、そういうものに気付きが起こるものがこの中にあるんじゃないかと僕は思ってます。
周りを巻き込むライムグリーン、正確に伝えていくブルー
稲井:今の映画に関してしゃべっていただいた先生のお声なんですけど、イエローの声。イエローというのは自分自身、マイワールド、自分の軸。そしてこのライムグリーンなんですけど、これは人を巻き込んでいく力なんです。先生が一声発すると周りがついてきちゃう。
大倉:そうですか。
稲井:もともと日ごろそういう存在の方なんですけど、とりわけ多いのはスイッチが入ったときに、ここブルーも出てますよね。ブルーというのは伝える。そして客観的に正確に伝えていくってことでもあるんですね。非常にメッセージに飛んだものを非常に感じられたみたいですね。
皮膚感覚で物事を感じるコーラルレッド
そして後の後半のほうは、その思いを語っていただくと、このオレンジ、丹田のあたりが動き始めたんですよ。これをやるんだっていうのがお腹の下のほうから湧き上がってきたみたいですね。ご自分で無意識に語ってたと思いますので、この解説お聞きになってどうですか。
大倉:いや、まさしくそんな感じですかね。不思議ですね。
稲井:はい。そして内側、先生のお体の内側。コーラルレッドとかオレンジ。これ丹田のところとか、あとコーラルレッドというのは、実は丹田よりもっと深い部分の本当にボディ全部で感じるというところなんですね。だから皮膚感覚で先生は物事を感じられる方みたいですね。それと同時に、アクアブルー。これが目に見えないものを形にしていく。先生は本当に大鼓をお持ちになって、そしてフッと構えた瞬間にそこにないものから音、響きを作り上げるじゃないですか。まさしく天から何か感じたものを表現してるというところ、この波形にも表れてますね。こういう解説をお聞きになっていかがですか。
大倉:いや、不思議ですね。ちょっと。
全ての波形が出る大鼓の調べ
稲井:今度これ楽しみなのがこの鼓の音。そして先生のお声とこれを1分ほどやっていただいて、これ12秒ごとに録れますので、3枚、4枚録れますので、短くちょっとやっていただければと思います。
由結:はい。では、大倉先生、よろしくお願いします。楽しみです。
♪(大鼓の演奏)♪
稲井:はい。…ありがとうございます。
由結:大倉先生、ありがとうございました。
稲井:強烈でしたね。ネイビーブルー。第三の目、直観力。先生の鼓でみんなシーンって静まります。第三の目、直観力が皆さんものすごく鋭くなりますね。ネイビーブルーが必ず出ます。鼓のこの後半部分になりますと、マゼンタピンク。なんと愛の領域。鎮まった次に何か愛の音に包まれるような音になってますね。
そして一番最後になって激しくなると、全ての波形が出てます。もう全方位ですね。そしてゴールド、最後は自分に軸が戻る。先生の演奏を聞くと、みんなが直観力が鋭くなり、そしてその鼓の音色により、先生のお声とプラスで本当に宇宙の愛に包まれるような状態になり、そして今の演奏の最後にはみんな自分に帰っていく。見事です。
由結:目の前で拝聴させて頂き、本当にありがとうございます。永久保存版ですね。
稲井:リスナーの方々、動画にこれちょっと波形載せさせていただきます。なかなか出ない。これ全部出てます。
大倉:ありがとうございます。
稲井:先生、貴重なお時間ありがとうございます。
由結:ありがとうございました。感激いたしました!
さて、大倉先生が応援してらっしゃる『長崎の郵便配達』は8月5日よりシネスイッチ銀座ほかで全国公開されていますので、ぜひ皆様お楽しみにごらんいただきたいと思います。大倉先生、本当にありがとうございました。
大倉:ありがとうございます。
稲井:ありがとうございました。
大倉:よろしくお願いします。
川瀬美香さんのプロフィール |
広告制作会社、米国コンテンツ会社を退社後、仲間とART TRUE FILMを立ち上げる。 長編ドキュメンタリー映画 テレビ 展示映像 短編集 展覧会 上映会 & 講演、授業 |