加藤 稔さん 株式会社バイカーズパラダイス 代表取締役社長 株式会社アジリティ 代表取締役社長「ドゥカティジャパン株式会社をV字回復へ!」
銀座ロイヤルサロン1週目
目次
ビー・エム・ダブリュー株式会社で培ったこと
由結:さあ、それでは本日の素敵なゲストをご紹介いたします。株式会社バイカーズパラダイス代表取締役社長、そして株式会社アジリティ代表取締役社長の加藤稔さんです。よろしくお願いいたします。
加藤:よろしくお願いいたします。
由結:今日はお忙しい中、本当にありがとうございます。早速伺いたいのですが、加藤社長は慶応義塾大学をご卒業後、1985年よりBMW株式会社にご入社なさり、そしてそのあと24年間勤めあげたとのこと。この業界に入るきっかけとなったような出来事はあったのでしょうか。
加藤:由結さん、BMWご存知ですか。
由結:はい、一応。あまりにも有名なので(笑)。
加藤:僕が当時入社したのが1985年。当時のBMWは今ほど全然知られていない存在でした。正直、慶応の教授も「なんだその会社」っていうぐらい、知られていなかったんですね。それからずっとBMWは快進撃を続けていって、今のような状態を作っていくんですけど、ちょうどその右肩上がりの時代を過ごさせていただいた会社なんですね。
由結:右肩上がりの時代…そこで培われたものは大きかったでしょうね。
加藤:はい。実は、僕らは会社ができて3期生の新卒だったんですね。まだまだ新卒を大事にしようという文化でしたので、色々と学ばせていただきました。最初は営業に飛び込んでこいということで、10年間、世田谷の界隈で実際に車を販売いたしました。大体500台ぐらいですかね。販売させていただきました。
由結:高級車を500台。すごい数ですね。
加藤:はい。高級車ですし、まあ、それなりの成績ではありました。そもそもこの会社に入ろうと思ったのは、元々マーケティング、広告宣伝に興味があったので、ブランドを育てるといいますかね。ブランドを作るという部署をやりたかったんです。10年経ってマーケティングの部署がようやく空きまして、そこに移りました。
由結:なるほど。念願だったわけですよね。
加藤:はい。そうですね。自分のやりたいことをようやくできるようになったと。
由結:そこではどんなチャレンジをなさったんですか。
加藤:当時のBMW JAPANは非常にヘッドハンティングの多い会社で、マーケティングは広告代理店のプロの方などが一生懸命やられていました。でも、やはり現場のことがわからないので、どちらかというと、「これでいいだろう」という想像でやられていたんです。僕は現場を10年やったので非常に重宝されまして、本社の全てのミーティングで「お前はディーラーだ」「現場としてはどう思うんだ」と聞かれ、現場のノウハウやエッセンスを伝えることができたので、会社としては非常にいい状態になったんではないかなと思います。
由結:会社として待望の人材だったんでしょうね。この会社の中で求められているものというのはどんなことだったのでしょうか。
加藤:非常に印象的だったのが、当時、BMW JAPANの社長は日本人の濱脇さんという方で、そもそも部長とか課長っていうマネジメントの職種で呼ばないということを言われていました。もう全て加藤さん、濱脇さんって、さんづけの文化でした。
外資系ということもあって感銘を受けたのと同時に、濱脇さんが話をされている中で非常に印象に残っていることがあります。新入社員を前にして、「君たちはこれからプロになってほしいんだ。プロとは、まずは失敗を恐れずチャレンジをすることだ。チャレンジをしてもし失敗しても一回はいいぞ。ただ二回目は成功しろ。それがプロだ。むしろチャレンジをしないのはプロではない」と。その社長が入社当時の僕らに一生懸命訴えてくれて。
僕らとしては「失敗してもいいんだ」って普通思わないわけですよ。なのに「一回は失敗してもいいんだぞ」って言ってくれたことと、「二回目はしっかりやれ」っていうのがやっぱりコンバインしていて、すごい良いメッセージだなと思ったんです。
由結:いや~素晴らしいですね。そのメッセージは今にも引き継がれているんでしょうか。
加藤:そうですね。非常に印象的だったので、僕が部下を持つようになってからも、彼らにはやっぱり同じメッセージを伝えようということで使わせていただいています。
由結:そうですか。そして、BMWで素晴らしいご活躍をなさっていた矢先、なんと2009年にはドゥカティジャパン株式会社の代表となられるわけなんですね。このときというのは、バイク業界が低迷していた時期。このとき、加藤社長はどのようにお考えだったのでしょうか。
ドゥカティジャパン株式会社をV字回復へ!
加藤:そうですね。2009年というと皆さんご存知の通り、リーマンショックのタイミングでして、BMWはそれまでずっと右肩上がりできたんですけど、5万台から3
6000台に一挙に落ちまして、ここからまたさらに元の道を歩んでいこうという、そういうタイミングだったんです。マーケティングマン的にはなんとなく管理部に締め付けられる時代に入ったんです。「コスト絞りながら頑張っていきましょう」とのことだったので、今までの焼き直しをするのもあまりチャレンジングではないなあと思っていた時期でした。
会社の社員全員が常に最先端のこと、新しいことにトライしていこうという会社でしたから、
この時期はかなり抑圧されそうな気風を感じました。そこにいるより、むしろほかのフィールドのほうが面白いことがあるんではないかとちょうど思ったんです。そんな時、ドゥカティから声をかけられ、皮肉なことにBMWから培われたチャレンジングスピリットが僕をドゥカティに出したということになりました。
由結:新たなチャレンジ。大変な決断だったと思います。
加藤:はい。実際、僕は当時、バイクに全く乗らなかったんですね。由結さんご存知かもしれませんが、ドゥカティはバイクの中では一番うんちくが激しいといいますかね、本当に好きな人たちからするともう話すことが多すぎるくらいマニアックなバイクなんですね。その会社のトップにバイクを知らない人が社長になるって、ちょっと考えられない事なんです。普通の感性ではね。
由結:なぜ自分にそのお話がきたのかと思われませんでしたか。
加藤:はい。ドゥカティジャパンはずっとイタリア人の社長が代々やっていて、一回は盛り上がったんですけど、ちょっと低迷したんですね。当時、一番盛り上げたときのイタリア人の社長がまたドゥカティに復帰して日本の状況を見たときに、日本は日本人に任せたほうがいいということを考えたんです。また、むしろ低迷していたバイク業界の人たちではなくて、もっと新しいものを植え付けてくれるほかの業界の方にやらせたいってことになったそうです。ただ、あまりにもバイクのビジネスから遠いとよろしくないし、一応タイヤのついているクルマのプレミアムブランドに携わっている日本人で、マーケティングとセールスのわかってる人ってことで、白羽の矢が立ったわけです。
由結:なるほど。やはり先見の明と新しいものを感じる力のある加藤社長に白羽の矢が立ったということでしょうね。
加藤:波長が合ったんでしょう。当時のイタリアのドゥカティの本社のマネジメントが求めていたものは「やっぱり新しい需要を開拓したい」「今のメカとしてのドゥカティを好きな人たちだけではなくて、新しい方々に刺激を起こせるようなマーケティングをしてほしい」「むしろバイクのこと知らない人のほうがいいんじゃないか」ということだったんです。
世界で最も美しいバイク
由結:なるほど。加藤社長はもともとバイクにたくさん乗っていたというイメージがあるんですが、これもご自身のブランディングなのでしょうか。
加藤:そうですね。ブランディングをすることには気をつけました。例えばドゥカティっていうブランドでいうと、本当はサーキットの匂いのするバリバリの走り屋のバイクのイメージがすごく強いんですね。ただ、これだとちょっと需要が伸びないなと思ったので、ドゥカティのもう一つのエッセンスの“ビューティフル”の面をアピールしました。例えば女性の方々にドゥカティを説明するときに、「速くて美しいんだよ」っていうよりも、「世界で最も美しいバイクを作ってるんだよね」っていったほうが響くじゃないですか。
由結:女性の気持ちをキャッチできますね。
加藤:はい。実はイタリアのミラノで毎年世界最大のモーターサイクルショーがあるんですけど、そこでドゥカティは毎年のように、世界で最も美しいバイクとていう賞をもらうんですよ。そのデザイン性とかファッション性のほうがむしろ一般の人にもっともっと押し出すべきところなんではないかなと思って、僕はどちらかというとそちらの面をドゥカティジャパンの時代は重視してきたんです。
由結:どうやったらユーザーの方に響くかということも常に考えながら動かれているんですね。現在は女性ライダーの方も数が増えてきたと言われてますけれども、加藤社長から見てもっと伸ばせるなっていうようなところはありますか。
伸び幅のあるバイク業界
加藤:そうですね。車の業界から移ったじゃないですか。車の業界ってなんとなくもう飽和状態でみんなやることをかなりやり尽くして、次はどういう手を打とうかみたいなところだったんですけど、バイク業界は日本ではまだ10%ぐらいの人しかバイクを乗っていないというマーケットなので、伸び幅という意味では車よりも全然あるなと思っていますね。
そこを伸ばす上ではやはり女性層、ファミリー層にあまり嫌悪感を抱いてほしくないなってところがあります。そのイメージを回復するためにどんなことをしたらいいんだろうと思ったんですね。女性はとくにライドしてほしいわけではなかったんです。サポーターであればいいと思ったんですね。
由結:なるほど。彼氏や旦那様を気持ちよく送り出してくれるようなイメージでしょうか。
加藤:はい。たまには一緒に遊びに行ったりとか、後ろに乗るだけで十分だと思っていたんですけど、由結さん、実は、今の時代は違うんですよ。
由結:そうなんですか!?
加藤:もうね、女性はみんな行動派で、もう外で見ているとか後ろに乗っているとかそういうんじゃないんです。もうみんな乗りたがるんですよ。なので、女性層にサポートしてほしいなと思っていたら、みんな乗り始めてしまって。笑
由結:“恰好良さ” “美しさ”という女性も響くワードがたくさんあったということなんですね。
加藤:はい。バイクは究極、やはり見ると恰好いいんです。ですが、見る機会があまりにもなさすぎて、峠とかサーキットにしか本当にかっこいいバイクがない。その見る機会を与えると、男性、女性に限らず響くものがあるみたいですね。
由結:ワクワクしますね!実は来週も加藤社長にご登場いただきまして、このお話の続きを伺っていきたいと思っております。来週は、バイカーの方にはたまらない場所がありますので、ぜひそちらのお話も伺っていきたいと思っております。では、本日はご登場いただきまして本当にありがとうございました。
加藤:ありがとうございました。
銀座ロイヤルサロン2週目
時代の変化に必要な“俊敏さ”“迅速さ”
由結:さあ、本日のゲストをご紹介いたします。株式会社バイカーズパラダイス代表取締役社長、そして株式会社アジリティ代表取締役社長の加藤稔さんです。よろしくお願いいたします。
加藤:よろしくお願いいたします。
由結:はい。2週目ご登場いただいております。この番組はビジネスパーソンの方もたくさんお聞きになってらっしゃるんですが、その方々に向けて、加藤社長の経営理念、人生、どんなことを大事になさってるのかについて伺ってよろしいでしょうか。
加藤:はい。まずアジリティという会社の名前なんですけれども、これ実は先週お話させていただいたBMW、それからドゥカティ、両方に共通するエッセンスなんです。企業にはブランドのキーワードっていうのがあるんですけど、弊社の社名“アジリティ”は、俊敏である、迅速であるという意味でして、このキーワードは、両方のメーカーに出てくるんですね。僕はその両方のメーカーに携わったので、自分の会社の名前を自分の人生の歩んできた道のりになぞらえ、アジリティとさせていただきました。なので、大事にしていることは、やっぱりスピード感ですね。時代の変化も激しいので、スピードを持ってジャッジをしていく会社にしようということで、その名前をつけたということですね。
由結:なるほど。人生でもいろんな岐路があると思いますが、迷ったときには俊敏・迅速に動く…これまでもそうなさってきたのでしょうか。
加藤:実は大学のときにちょっと一つ岐路がありまして、あっちにいったほうがよかったかなっていうことがあったんですね。そのとき以来、もう迷ったときはどちらの道をいったら後悔しないのかっていうワンポイントに絞りました。ドゥカティジャパンにいくときもチャレンジングだったんですよ。24年間もBMWにいて、加藤は、ずっとBMWにいるだろうと思っていたのをライバルメーカーにいくということになったわけですから。
由結:そうですよね。そして、惜しまれつつ退社なさった…と。
加藤:そのときも迷ったんですが、家族とかは保守的なので「えー?」みたいな、「そんな社長なんて3年ぐらいでみんな交代になっちゃうのにおっかないよ」ってなったんですが、やっぱり、絶対いかなかったら後悔するな。こんなチャンスもなかなかないし、後悔しない方を選ぼう と思ったのが、決断する最後の動機づけになりました。
由結:なるほど。今となってはそのことが現在につながっているということですから、素晴らしい決断でしたね。
加藤:ありがとうございます。
バイカーの聖地!バイカーズパラダイス
由結:さらに、現在、あのバイカーの聖地、バイカーズパラダイスの代表を務めてらっしゃいますよね。私も前回行かせていただいて、こんな南箱根の山の上にこんな素晴らしい場所があるんだと思って驚いたんですが、ファンの方にはたまらない場所でしょうね!
加藤:そうですね。世の中にはたくさん道の駅みたいなものがありますが、全てが車を中心とした文化ですし、サービスエリアもパーキングエリアもみんな車を中心とした停め場所です。バイクは大体隅のほうの、このへんに置いとけ、うるさいからみたいな感じでないがしろにされている…なんとなく日本はそんなカルチャーなんですね。一軒くらいバイクが主役の施設があってもいいんじゃないかって、車はもう入っちゃいけないぐらいの勢いで、バイクだけのパラダイスを作ってやろうと思い、このプロジェクトは始まりました。
由結:バイカーの集うあの景色は圧巻ですよね。
加藤:そうですね。道の駅などとは逆で、バイクがバーッと並んでいて、車が入ってきたときに「俺はどこに停めたらいいんだってたじろぐ…その風景を作りたかったんですね。もう見事にそれができてます。
由結:この場所に第1号店ができたということで大変話題になりましたが、中に入るとまたびっくり!毎週企画もなさってらっしゃるそうですね。
加藤:そうですね。月単位でマンスリーテーマを定め、展示するものを変えています。僕はメーカーを2本やってきまして、メーカーの一つ一つは盛り上がったんですけれども、今回のプロジェクトでは、バイクの業界全体がなんとなく活性化すると嬉しいなっていうところもあったので、いろんなジャンルのメーカー、それからメディアさん、全部取り込んで一緒に騒ごうよ、盛り上げようよっていう企画にしたんですね。
例えばバイクの世界だとハーレーはアメリカンだし、BMW、ドゥカティはヨーロピアン。ユーザーのカラーがそれぞれ違うんです。なので、館自体はあんまりアメリカンにふってもヨーロピアンにふってもいけないので、ウッド調のジェネラルな感じにして、マンスリーで今月はハーレー、今月はドゥカティっていうふうに切っていくスタイルにしました。
由結:なるほど。そのあたりもブランディングの一つ。皆さんが楽しめる場所にしているということですね。
加藤:はい。そうですね。ノンジャンルでカオスっていうのがキーワードになってまして、いろんなバイク乗りが集まっても違和感のないスペースを作る形になっています。
由結:まさに聖地ですからね。企画展として貴重なバイクの展示はもちろん、驚いたのがトイレの中。すごく工夫されてておしゃれな場所ですよね。
加藤:実はバイク乗りの人たちは今相当年齢層も高くなっていって、経験の高い方々も社会的に地位のある方も非常に多いんですね。アーティスティックな方々もたくさんいらっしゃるので、今回のバイカーズパラダイスは音楽、それからアート、いろんなものを取り入れてるんですけども、全てバイク乗りの誰かが必ず作ってるんですね。なので、あそこのトイレの入り口のサインもバイク乗りの絵が描いてあるんです。あれもバイク乗りのアーティストにペイントしていただきました。
地域活性化につながる活動
由結:皆さんのバイク愛がそこにこもっているということですね。ファッショナブルですし、いろいろな活用の仕方があると思うんですね。これからさらにどういう発信源にしていこうとお考えなんですか。
加藤:元々このプロジェクトは国の絡んでるプロジェクトなんです。バイクの方々はツーリングで特に郊外に行かれるので、その郊外の地域をバイクの方々が来ることによって活性化できないかな、と。経済効果を狙ったプロジェクトなんですね。なので、実はバイカーズパラダイスはあそこに人が集まってバイカーズパラダイスだけにお金を落として帰るんではなくて、その地場で海鮮を食べてもらったり、宿泊してもらったりっていうところにちゃんと送客をするってところがミッションの一つなんです。
由結:なるほど。横のつながりもすごく大事にされるということなんですね。
加藤:そういった意味では、一つの形が箱根で作れましたので、いろんな地域の自治体の方々もこれを見に来られています。今色々な地域が色々な形で町おこしをされていますが、やっぱりバイクがメッカの地域もたくさんあり、バイカーズパラダイスをその地でどうかっていう話は幾多もきておりまして…。
由結:いいですね。ワクワクしますよね。
加藤:はい。一つ一つ実現していきたいなっていうふうに思ってます。
由結:素敵ですね。なんでもカメラサービスがあるってお聞きしたんですけれども、どんな感じで?
加藤:そうですね。バイカーズパラダイスはその地域の経済の活性化のため、それからバイク業界の活性化のため、もう一つは未来のバイク乗りを作っていく。見てもらうというところも考えておりまして、バイクのファッション性というのをもっともっと若い方、これからバイクを知ってほしい方々に演出して見せていく場にしたいと思っています。その一環で、バイク乗りのカッコいい写真を撮っているんです。
実はバイク乗りは写真が大好きなんですね。自分を撮ってもらうのも大好きだし、自分とバイクが映りこんだ風景を撮るのも大好きだし、カメラや写真にすごく造詣が深いんです。とはいえ、自分の写真って自分では撮れないので、やっぱりプロのカメラマンに撮らせようと。
由結:素晴らしい記念になりますね!
加藤:多分それが一番バイク乗りの琴線に触れるに違いないと。
由結:なるほど。皆さん撮られてどんな反応なんですか。
加藤:実はファッションカメラマンに今回はあえて撮らせてるんですね。いつもよりちょっとかっこよく出来上がるんです。そうすると、皆さんバイカーズパラダイスに来るときにもうちょっと次はこんな格好して撮ってもらおうってことで、バイクだけじゃなくて自分をカスタムしてバイパラに集まってくれるようになっていく。そうすると先ほどの通り、これからの若い人たちがバイク乗りって、かっこいいじゃん!っていうのをどんどん啓蒙できる発端にならないかなと。
由結:なりますね、きっと。
加藤:一つ一つのサービスが、ちょっとなんですけどね。そのアートにしても、音楽にしても、ちょっとずつ、今まであまりバイクのイメージになかったものを入れるようにしています。
由結:素晴らしい先見性ですね。これからの発展が目に見えるような気がいたします。
加藤:いくといいんですけどね。
銀座ロフトで7万点の商品の中でトップを取った商品
由結:とても楽しみですね。そしてなんと、社長はまた新しい別の事業もなさっていらっしゃいます。2016年よりコーティングサービスの会社を立ち上げられていらっしゃいますよね。実はこの目の前にありますこの商品なんですけれども、銀座のロフトで7万点の商品の中でトップを取るという商材になったということなんですが、こちらをご説明いただけますか。
加藤:はい。今のバイクと車のお話からいきなりなんかコーティングって何よって(笑)。
由結:そうなんです。どうつながっていくのかと思いますが…。
加藤:皆様、コーティングっていうワードで一番最初に頭に浮かぶのは車の外装のコーティングサービスだと思います。ガソリンスタンド等々でやってる。あれが浮かぶと思うんです。実は車、バイクの流れからこのコーティングっていう話がきました。でも、ここで、「加藤さん。新しいものにしか手を出さないんじゃないの?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
由結:そんなイメージがあります。
加藤:はい、外装のコーティングだけだったら手を出していませんでした。今までにもあるサービスですし、どなたかのビジネスを奪うだけなので、あんまり面白くない。この話を受けたときに、実は車でいうと内装のレザーとかファブリック…これらにガラスコーティングできるなら新しいというところから入ったんですね。
最先端のガラスコーティング技術
由結:レザーをガラスコーティング?
加藤:私も最初、今一つ意味がわからないと思ったんです。ガラスコーティングってガラスじゃないですか。パリパリしてるとかシャキシャキしてるとか、それをファブリックとかレザーに塗ったらなんかカチカチになっちゃうんじゃないのって。
由結:ええ、そう思います。
加藤:思いますよね。ところが実物を拝見したところ、全然風合いは変わらないけれども、ガラスコーティングしてるおかげで汚れはつきにくいですし、水洗いできますし、抗菌もつけられますし、結構これ面白い技術だということに気付いたんです。当時はバイクの外装の世界にこのコーティング剤を入れてくれないかっていうことで、僕の知り合いのほうからビジネスの提案があったんですけども、それはあんまり面白くないなと、でもまあ一応言われたので、バイク業界には入れはしたんですけども。自分がそのときインスピレーションで思ったのは、新しいサービスを生めるんではないかと。ファブリックであればファッション、絨毯、インテリア、鉄道の中などもいろんなところにガラスコーティングを入れることができると。誰のパイも食わないっていうんですかね、全く新しいサービスなので、これは面白いんではないかと。
由結:まさに新しい商材だったということですよね。ここにピンと響かれて、それを進めたというこの先見性、素晴らしいですね。実際にこちらなどは携帯電話用になるんですか。
加藤:そうですね。
由結:これも自分で塗ることができるというものなんですね。簡単なんでしょうか。
加藤:非常に簡単です。車でいうと洗車をしてきれいにしないとコーティングしちゃいけませんよね。汚れたまま固まっちゃうんで。携帯電話も一緒で5分ぐらいきれいに清掃作業して、5分ぐらいコーティングすると終わりです。
由結:そうなんですか。どのぐらい持つんですか。
加藤:そうですね。ガラスコーティング自体はガラスなのでずっとついてるのでずっと保護されるんですけども、その上にくっついている抗菌作用や撥水作用、そういった作用は本来ならすぐ取れちゃうものなんですね。それをうちのコーティングはガラスがしばりつけてくれるので2年ぐらい効果が持続します。
由結:それは便利ですね!
加藤:抗菌や硬度が持続するんです。
由結:コストパフォーマンスも素晴らしいんじゃないかと思うんですけれども、これがいろいろな各業界ともコラボできそうですね。
加藤:はい。バイクの話は10人の方がいたらその中で大体1割か2割くらいの人が、ドゥカティやバイカーズパラダイスで響いてくれるんですけど、残りの8割の人にはなかなかピンときて頂けないんです。ビジネスにつながらないみたいなことがよくマネジメントの会合行くとあるんですが、この「ミスティカルジー」に関しては、ほぼ10割の人とビジネスが展開できるぐらい、どの業界とも親和性が高いアイテムなので、両刀使いできますね。
会社を変えたければ、一人一人がまず動くこと
由結:いや~素晴らしいですね。最後にリスナーの方に向けてメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。
加藤:そうですね。私自身がこの二つの有名なブランドに携わってきたんですが、企業のカラーがそれぞれよかったなと思うんですよね。BMWにしても、ドゥカティにしても、そこに働いてる人たちの製品に対する愛情やそれから自分たちのブランドを守ろうという一人一人のパワーがある会社で従事させていただいた。例えば「うちの会社は変わらないんだよなとか、なんとなく挫折を覚えられてる方々もたくさんいらっしゃると思うし、自分一人の力ではどうにもならないと思われてる方も多いと思うんですね。
実際そうだとは思うんですが、でも多分一人一人が諦めてしまうとその企業のカラーは絶対変わらなくて、やはりそのカラーを作るのも人なんです。最終的に、上が言うから会社が言うから…ではなく、その会社のカラーを変えたいんであれば、まずは自分が実践をしていく。そうすると結局その企業のカラーも変わっていくんではないかなと思います。
由結:なるほど。一人一人の意思と実践が大切だと。
加藤:諦めずにポジティブシンキングでやることが成功のコツかなというふうに思います。
由結:素晴らしいお話ありがとうございます。この「ミスティカルジー」を視聴者の中から5名様にプレゼントさせていただきます。皆様ぜひ「銀座ロイヤルサロン」から応募なさってみてください。さあ、それでは、加藤社長に2週に渡りましてご登場いただきました。本当にありがとうございます。
加藤:ありがとうございました。
由結:また来週も声診断コーナーにご登場いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
加藤:よろしくお願いいたします。
由結:はい。ありがとうございました。
加藤:ありがとうございました。
銀座ロイヤルサロン3週目
声診断コーナー
由結:さあ、それではここからは声診断コーナーです。
これまでに2万人以上の臨床データのある声診断ソフトにより、ゲストの方の声の波形を読み取り、個性を紐解いていきます。
本日のゲストは株式会社バイカーズパラダイス代表取締役社長、そして株式会社アジリティ代表取締役社長の加藤稔さんです。それでは、本ユウキアユミワールドアカデミー学長の稲井英人さんがお送りいたします。よろしくお願いいたします。
稲井:はい。よろしくお願いします。さて、社長、よろしくお願いします。
加藤:よろしくお願いいたします。
稲井:声診断、聞いたことは今までなかったですか。
加藤:全くなくて怖いですね(笑)。
稲井:(笑)。例えば顔の表情ですと鏡を見て自分はこういう表情なんだっていうのが映りますよね。実は声に相手に与えている第一印象とか、あとエネルギー、個性が表れてくるんですね。12秒ほどで一つの波形を取るんですが、これによって12色に表れて、あと凹凸のその波によって、どのような印象を与えてるのか。あるいは社長の潜在能力がわかりますので、ぜひ声を撮らせていただきたいと思います。
加藤:面白いですね。
稲井:普段の声でリラックスをして。さあ、番組も2週ご出演いただきましたが、どうでしたか。ご自分でお話になってみてください。
加藤:いやーやっぱり緊張しますね。でも先ほどの声とか態度でなんとなく人をなんとなく診断するみたいなのって、実は車のトレーニングでも結構似たようなのをやるんですね。ショールームに入ってきた方々を瞬時に6秒でどのタイプか見極めろっていう、トレーニングをするんですよ。そのときに声の張り方や身振り手振りの出し方でさっとこう4分割に分けて、その方々の個性に合わせた対応をするべしみたいなことをやるんです。
物事を完璧に行うブルー/先見力・洞察力のネイビーブルー
稲井:なるほど。そうですか!今二つほど波形を撮らせていただいたんですが、ブルーです。これ波形は全てこう出てるんですけども、これを絞るという表現をするんですね。すると、必ず出てくるのがこのブルー。そしてネイビーブルー。これは物事を客観的に見て整理整頓して全体を見ていくんですね。物事を確実にきちっと完璧にされる方なんですよ。
あと、プレゼンテーション、伝えるという能力も非常にありますね。ですから、非常にわかりやすい。先ほどもちょっとお話しましたが、わかりやすいという意味ではこのブルーの部分ですね。ある意味で伝えるのが使命。広めていくのが使命ですね。そして、第三の目。先見力とか洞察力、直観力。プロデュースをしたり未来これをやるとこうなるなという見通す目。そういった能力、才能がありますね。
物事を形にするレッド
それと同時に、こちら側の赤い色。赤、オレンジ、ゴールドなんですが、これはやっぱりビジネスだったり、経済であったり、現場を表します。ですから、そういったところもきちっとご自分で先見力を持って見たものを形にしていくんですね。ここで忘れちゃならないのが、アクアブルー、水色、それからグリーン、それからイエローも出ていますね。実はここの部分が人の話を聞く。人とつながる。実はこのブルーの部分が見る、分析するというもの。そして、グリーン周辺の色が聞く。人の話も聞くし、自分の心の声も聞く。そして、赤やオレンジ系は感じる。感じていたいっていう領域なんですが、バランスが非常にいいんですね。
周りを一体化させて導くアクアブルー
その中で男性でリーダートップの人でこのアクアブルーがあるということは、人の気持ち、お客様はもちろん、従業員ともちゃんとつながって一つになることができる人なんです。これが21世紀型のリーダーと言われています。要するに「お前ら黙ってついてこい」っていう場合はイエロー、ゴールドしか出ないんです。
加藤:(笑)。なるほど。
稲井:オバマ大統領もテレビで昔、大統領になったときに声撮ったんですね。アクアブルーがすごかった。だから周りを一体化させて一つの方向に導いていくという、そういうお声、同じようなお声をお持ちですね。やはりこのアクアブルーが必ず出るので、ある意味アーティストです。恐らくビジネスを芸術のように捉えてて、一つのキャンパスに絵を描くように、ビジネスをどのように表現していくのか。まさしく表現するために生まれてますね。非常にユニークです。
加藤:こんなことわかるんですね。
宇宙全体の流れに乗るバイオレッド
稲井:わかります。そしてバイオレッド。潜在能力の深い部分を表し、この百会のツボという頭頂部を表します。ちょっとスピリチュアル的な表現になりますが、天とつながるというか、よく祝詞あげたりお経をあげたりしたとき、あるいは瞑想したときにこの紫の声が出るんですね。だから普段のビジネスマンでこれが出るということは、ちょっと大きな言い方をすると、この宇宙の流れ全体の流れに乗ってお仕事される方ですね。
加藤:ちょっとほめすぎじゃないですか(笑)。
稲井:声の波形的にそうなんです。見事だなと思いますね。
加藤:この何にも出てないところ気になるんですけど。
稲井:はい。これは出てないのではなくて、本当はちゃんとあるんです。これでは読めないので凹凸で見ていくんですね。出ているからいい、出てないから駄目という意味ではありません。これが最初の声で、最初の声よりもあとの声の方がここ出てきましたよね。これなぜ出てきたかというと、現場のこと、現実のこと、ビジネスのこと、自分の軸とか信念というのが前半は感想的な話だったんですね。それがだんだん自分はこんなふうにやっていくんだっていったときに、しっかり自分のものが出てきたいうことですね。だから次の時代に向けて課題をお話すると、次の人生に向けての課題、これは次の自分の軸ですね。って言われてどうお感じになります?
加藤:うーん。そうですね。次の自分の軸。なかなか難しいですけれども、まあでもここまでくると自分の信念を現実にしていくっていいますかね。やり遂げていくっていう感じですね。今まではなんとなくそれを模索している時代だと思うんですけども、最後、二つに絞ったので、これを最後完遂させていくということでしょうか。
稲井:はい。今の声撮らせていただいたんです。そうしたらゴールドのあたり。「軸」を意味する部分がへこんでいたんです。それが今出てきましたね。つまり、意識した瞬間に出るんです。これがポイントです。だから、今後ご自分が会社を経営していかれる場合、自分はこうするのをぜひ意識してください。場所的にいうとおへそのあたりです。このおへそのあたりを意識して、そして従業員さんやお客様にしゃべると伝わります。
加藤:なるほど。
稲井:いや、なかなか見事です。保存させていただきました。
加藤:(笑)。ありがとうございます。
由結:素晴らしいですね。
稲井:はい。
由結:いや、加藤社長のこの先見の明が明らかになったという瞬間でしたけれども。
稲井:いや、これももう見事です。第三の目がすごいです。
由結:加藤社長、いかがでしたか。診断を受けてみて。
加藤:声からいろいろなことがわかるんですね。
稲井:はい。加藤社長は、特にやる限りは完璧にお仕事されます。仕事はこういう方に任せればいい。
由結:はい。加藤社長の素晴らしさ、これからのご発展の様子が目に見えました。本当にありがとうございました。
加藤:ありがとうございました。
稲井:ありがとうございました。
加藤稔さんのプロフィール |
慶応義塾大学商学部卒 2009年、混迷の続くバイク業界にチャレンジを開始。 2016年、バイク業界に更なるポテンシャルを感じ、金融庁傘下の地域経済支援活性化機構の主導するバイカーズパラダイスプロジェクトに参画。 同プロジェクトの傍ら、2016年 株式会社アジリティを設立。 1985年ビー・エム・ダブリュー株式会社に入社 |