水谷川優子さん 国際派チェリスト「近衛秀麿を祖父にもち、日本とベルリンを拠点に活動」
2019年4月11日放送
国際派チェリスト 水谷川優子さん(1)
2019年4月18日放送
国際派チェリスト 水谷川優子さん(2)
銀座ロイヤルサロン1週目
由結:さぁ、それでは本日の素敵なゲストご紹介致します。チェリストの水谷川優子さんです。よろしくお願い致します。
水谷川:よろしくお願い致します。
由結:はい。水谷川さんは日本とドイツを拠点に世界を駆け巡っていらっしゃるわけなのですが、おじいさまは現在のNHK交響楽団を設立するなど日本のオーケストラの父と呼ばれている近衛秀麿さんでいらっしゃいますよね。
水谷川:はい。
由結:そして水谷川さんは世界的に有名な音楽教育機関であります”ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院首席卒業、同大学院修士修了”と言うことなのですが、そのあとも輝かしい賞を沢山お取りになって現在大変ご活躍でいらっしゃいます。今日は色々とお話を伺っていきたいと思っております。
水谷川:よろしくお願い致します。
由結:水谷川さんがこの音楽の世界に水谷川さんが入ろうと思ったきっかけはどんなことだったのでしょうか?
水谷川:まさに今おっしゃってくださった祖父が指揮者だったのですけれども、私四つ上に姉がおりまして、姉は今私が住んでいるベルリンで生まれたんですね。当時両親が留学生で音楽の為にベルリンに行っていて、そこで姉を授かったのですが、姉はいまバイオリン弾いておりまして、
ヴァイオリンは凄く小さい時から始めるので、もう二歳ぐらいから母の手ほどきを受けていたわけなのです。それで四つ違いと言うことで今度次の子が生まれるとなった時に、祖父が「上がヴァイオリンだから、下は男でも女でもチェロにしたら?」と。バイオリンとチェロだとオーケストラの中でもメロディーを弾くのと支えるのと言うことで、「同じ楽器だったら競争になるけど、アンサンブルをして欲しい」ということだったらしいんです。
由結:アンサンブルとは素晴らしいですね!どんな幼少期をお過ごしだったのでしょうか。
水谷川:母が姉の為にヴァイオリンを弾いていて忙しかったので、その隙に遊んでました。
チェロは楽器自体は凄く小さい時に家におもちゃみたいにやって来たのですけれど、
チェロと言うのは小さい子は握力がないから弦を抑えられないんですよね。だから最初に脱力しても音が出しにくい楽器です ・・・・ 。子ども用の小さな楽器ですし、良い音が出ないから太ったカエルみたいな音しか出なくて…、咳をしてるみたいな音。
だからそういうところでは何か姉と違う物をやっていると言うイメージがありましたね。姉はもう小さい時からお稽古に行って厳しく練習をしていたのですけれども、私は何かチェロは響くと床も一緒に振動するから、それは遊びだと思っている感じでした。
由結:遊び…感性豊かに育たれたのですね。
水谷川:はい。幼い頃は自由に育ちましたね。
由結:そうなんですね。今スタジオにお持ち頂いたチェロがあるのですが、この大きなチェロを抱えながらご移動をされているわけなのですが、小さい頃はどうされていたんですか。
水谷川:これの何分の一と言うサイズがあるので、私が一番小さかったのが当時1/16サイズがなくて、1/8が最初だったんですね。だから(カット)自分の体よりもずっと大きいから本当にかじりつくような感じでした。だからもう思い出は幼稚園ぐらいの時も何か練習に疲れると、チェロを横に倒して自分もその横で猫のように丸くなって一緒に寝てるような、そんな感じで。
由結:まさに一心同体ですね。そうやってチェロとも慣れ親しみながら感性を養っていかれたと思うのですが、そのあと本格的に取り組まれることになりますよね。桐朋学園ですよね?
水谷川:そうですね。実は定期的に普通にレッスンにちゃんと通うようになったのは六歳の手前でぐらいなのですけれども、十歳になった時に桐朋学園の”子どもの為の音楽教室”というところに通うことになって、私はずっと姉の背中を見ていたので、姉の通りにそちらへ。
それで(カット)姉は幼稚園から日本に帰ってからずっと通っていたので、それで「やっと姉の行っているそこに私も行けるんだ」と思って。
最初に教室に行って楽しかったのは、オーケストラを皆で弾く事だったんです。
由結:初めての時はいかがでしたか?
水谷川:皆で出す音と言う音量が凄くて何かワクワクしたのを覚えています。ただそれでもやっぱり喜びと言うよりも遊びの続き。「皆でやって楽しいな」と言うほうが多かったし。
由結:クラブ活動をするみたいな気持ちだったのですね?
水谷川:そんな感じで、お友達とも会えるし、だからレッスンは週に一回ずっと通ってましたけれども、先生も厳しかった…。でも憧れもあったし、全然野望も何もなく本当にのほほんと育ちました。
由結:それだけ楽しく取り組んでいたんですね。
水谷川:そうですね。苦しくなるのはもうちょっとあとですね。
由結:そうですか。苦しくなってきた頃と言うのは?
水谷川:受験をすることになって。
だから高校から桐朋学園に入る為に受験をするので、よくわからないけれども「そこに行けなかったら自分はどうなるのか?」と。それで私の親はずるいのかもしれないですけれど、いつも決定権をこちらに預けてたんですよね。
由結:なるほど。「自分で決めなさい」と。
水谷川:そうなんです。だから例えばこういうことやりたいと、
例えばお友達と一緒に旅行に行きたいと言うときに、
「チェロとそれとどっちを取る?と行ったら貴方はどうするの?」、と聞かれたたら
その時はやっぱりそれ (チェロ)。
それで修学旅行なんかも、中学校の時は毎回「怪我したらいけないからスキー教室は行っちゃいけません」とか、あったけど、よく考えたら必ず聞かれて自分で答えを出していたので、強制されたと思ったことはないんですね。
由結:素晴らしい教育方針ですね。
水谷川:よくわからないです(笑)。ずるいんじゃないかとも思いますけど。選択権がないと。
「じゃあチェロやめていいわよ。じゃあ他に何やるの?」と言われたら、「いや、何もできない。チェロもできないけど、チェロはとりあえずそこまでやっていたし、自分からチェロを取ったら何になるんだろう?」と、いつもそういうふうに思って。
だから小学校5年の時と中学3年と、それぞれその新しいことを始める時、
音楽教室に通う時、それから高校に入る受験という時々は自分で決めてきた…。
由結:すごいことですね。そうやって選択を迫られて…。その頃は、天職と言うか、自分の道だなと言う感覚があったのでしょうか?
水谷川:いえ。”チェロを取ったら何でもない”と言うしかなかったんですね。消去法でそれしかなくて。でもある時、高校の途中だったと思うのですが、
母と親子喧嘩をした時に、「本当に自分で選んだわけじゃない」と言うようなことを言って、、
「どうしてそれをやらせようとするのか。」と。
父が作曲で母はヴアイオリンだったのですけど、その時母が『やらせたんじゃなくて、ママとパパが貴方達にあげられるものは音楽しかないから』というような、そういうことを母が言って。
本人は「そんなこと言った覚えがない」と照れ屋なので言うんですけれども、、、それを聞いた時に何か突然素直になって。反抗期が長かったのですけれども、その時だけは素直に。
由結:そのときに、ストンと自分の胸に落ちた?
水谷川:そうかもしれないと思いました。当たり前みたいに家族皆が音楽をしていた中で、その言葉をもらっていると言う自覚が初めてできたのかもしれません。
由結:素敵なエピソードですね。今の礎の一つになっているのでしょうね。国内外でも沢山のご活躍をなさっていらっしゃいますが、近年はエジプト・ヨルダン・シンガポールなどにも招聘されていらっしゃると言うことですが、あれですね。近々リサイタル、コンサートがありますよね。
水谷川:はい。また東京で5月に。今年は2019年は日本とフィンランドの外交樹立の100年と言う年でして、それに因んだプログラムでコンサートをさせて頂きます。
由結:はい。具体的にはこういうテーマを是非楽しんでほしいと言うようなところはありますか?
水谷川:はい。二つありまして。まず日本の恐怖の10日間の10連休のすぐあとなのですけど。
由結:恐怖の10日間!
水谷川:そうです。5月7日は東京で日経ホールで”ラルフ・ゴトーニ、スペシャル・ピアノ・トリオ”を。実はこのラルフ・ゴトーニ、マーク・ゴトーニは親子なんですね。父がピアニスト兼指揮者であり、息子はヴァイオリンということで。そしてマークは私の主人なんです。彼がバイオリニストと言う事で”嫁・舅”の三人、ファミリーのコンサートです。
由結:なるほど!ファミリーコンサートと言う事もできると言う事ですね。
水谷川:そうですね。今年はその外交樹立100年という事で、
1月もこれで年明けコンサートをこのメンバーでフィンランドではじめて。あちこちで演奏してきたのですけれども、5/7は純粋なピアノトリオのコンサートです。それから私が特に鼻息荒くなっている(笑)のは5月の10日。
こちらは金曜日なのですが、東京・四谷の紀尾井ホールで、”水谷川優子・チェロリサイタルシリーズ12回目、”北欧のマエストロを迎えて”と言うタイトルで行います。
それでこちらのほうはピアノトリオ三人だけではなくて、チェロとピアノ・バイオリンとピアノのデュオも入れながら、最後は三人で弾きます
それでプログラムはやはりフィンランドと言えば国の英雄が”シベリウス”ですので、シベリウスの作品を入れながらと思っております。
由結:もう本当にフィンランド尽くしと…素晴らしい記念コンサートになりそうですね。
水谷川:そうですね。この日の為に義父であるラルフ・ゴトーニが書き下ろしてくれた”十牛図”と言う…禅の悟りに至る人の心を牛と自分に例えた10枚の絵から二つ悟りの過程の絵をメディテーションにして作ってくれたので、それを演奏させて頂きます。
由結:音楽を楽しみながら、かつ、悟りの境地、心静かな時間を過ごせそうですね。
水谷川:はい。面白いと思います。
由結:フィンランドと言えば日本と同根と言いますか、民族としても共通点が沢山あるとお聞きしますが?
水谷川:そうですね。フィンランド人はどこから渡ってきたかと言う問題になるのですけれど、
私達がイメージするのはいわゆる中央ヨーロッパが多いし、あとはフィンランドのお隣と言うと、右側がロシアで左・西側がスカンジナビア三国にになります。
フィンランドは言葉が全然どことも関係していないし、やっぱりそちらではちょっと前まで苗字が先で、例えば私水谷川優子、中央ヨーロッパでは”優子・水谷川”と呼ばれるのが、フィンランドだとついこの前までアジアと同じように”水谷川・優子”と言う順番で姓が先にきていたんです。「もしかするとルーツはどうなのかな?」と。それから、主語を省いて喋っても言葉が相手に通じるような言葉のできかたになっていて…。
由結:それは興味深い!本当にお話がつきないのですけれども、来週も出てくださると言う事ですので、楽しみにしております。
水谷川:ありがとうございます。
銀座ロイヤルサロン2週目
由結:さぁ、それでは本日の素敵なゲストご紹介致します。チェリスト・水谷川優子さんです。よろしくお願い致します。
水谷川:よろしくお願い致します。
由結:水谷川さんには二週に渡りましてご出演頂いております。
水谷川:お世話になっております。
由結:この”水谷川”と言う文字なのですが、”ミズ・タニ・ガワ”と書いて”水谷川”なのですよね。
水谷川:誰も読めないです。
由結:珍しいお名前ですよね。水谷川さんは本当に肌の色も白くていらっしゃって、日焼けはしないんですか?
水谷川:この前シンガポールに行った時は日焼け止めを塗りまくりました(笑)。日焼けしたらその色のドレスが似合わなくなるからと言われて。
由結:確かに!肌のトーンが変わってしまいますものね!さて、水谷川さんは日本とドイツを拠点に世界各国を飛び回っていらっしゃると言うことなのですが、日本にいらっしゃる時期と言うのは短いのではないですか?
水谷川:この数年1ヶ月に1回ぐらいの割合で行ったり来たり行ったり来たり。
由結:チェロをお持ちになって移動と言うのはご自分でお持ちになっての移動…凄い力が入るんじゃないかと思いますが。
水谷川:そうですね。8.9kgくらい?今は色々入っているので。
由結:わぁ!普段から体を鍛えていらっしゃるのでしょうか。
水谷川:何かこのチェロを背負って歩いているのプラス、演奏することがどうも運動になっているらしいです。
由結:なるほど!
水谷川:特に背中の筋肉ですね。これは「背筋のほうが腹筋よりも強いから、腹筋強めなさい」と言われて加圧トレーニングに去年から通っています。楽器を弾くだけでも体づくりになっているように思います。
由結:水谷川さんの演奏は、素晴らしく繊細で、そしてダイナミックな音が出ていると、評価が高いのですが、やはり普段からこういう音を奏でたいなと言うようなイメージなどはお持ちでいらっしゃるのですか?
水谷川:あんまりなくて、音と生活を別々に考えたことがないんですね。だから人間として自分が感じたものを、自分が例えば美味しいものを頂くとか、素晴らしい景色があるとか、お友達とこういうことがあって心が動いた時、心が震えるような時に「それをチェロに乗せて出したいな」といつも思っているから、こういう音と言うよりは「これを表現するのにはどうしたらいいか?」と言う感じです。曲でもそうですけど。
由結:その時にしかない音とか。
水谷川:それもそうですね。あと、同じ曲でも違うように感じるし。
由結:なるほど。そしてきっと今色々なコンサートも手がけていらっしゃると思うのですが、色んなかたとコラボをしたりと言うような活動もなさっていますよね。
水谷川:そうですね。
由結:そういう時も新たな音が生まれたりするのですか?
水谷川:やっぱり刺激を受けますね。素晴らしい方と弾かせて頂いたら、例えば、今、あゆ美さんとの会話みたいに、何かおっしゃったことに対して自分が返していくことで、自分の知らない自分を発見していくことができるので。
由結:そうですね!この空気のやりとりと言うか、エネルギーのやりとりですよね。
水谷川:面白いですね。
由結:沢山のご活動をなさっている中でも、ライフワークとしてホスピスでの訪問演奏をなさっていらっしゃいますよね。
水谷川:そうですね。ホスピスだけではなくて、続けるきっかけは最初、少年院だったのです。それは2001年から続けています。一言で言うと、「コンサートにご自分からいらっしゃれない方々のところにおしかけよう」と思ったのがきっかけでした。
由結:なるほど。それは自分の発案だったのですね。
水谷川:はい。その理由は自分の中の”焦燥心”と言いますか、日本人として、10代を日本で過ごして、今度日本を離れてから”自分が何者である”をずっと模索しながら、ある時日本に帰ってきた時に「ホールで演奏してるだけで、前後なく帰るだけではずっと一生衛星みたいで、自分の国のことを知ることもできないし、深く入っていけない」と思いました。
だから日本の中の特殊ないいところだけを得ていると思いまして、そうじゃなくてもっとクラッシック、コンサートにいらっしゃらない方々に聞いて頂いて、生の反応知りたいと思ったのが最初です。
由結:なるほど、そうなんですね。実際に行かれて、皆さんの反応と言うか返ってくるものはどんな感覚なのですか?
水谷川:場所によりますよね。どういう施設か、それぞれの、例えばお体の障害のあるかたのところ、もしくはいわゆる知的の障害があるかた。それぞれ違うのですけれども、私はそれぞれで、そこだから。例えば子ども達いるのだから優しい曲を弾こうと思ったことはなくて、「それぞれの本気の曲を弾いていこう!」と。でも例えばホスピスに伺った時に「もしかしたらそのかたの最後の曲になるかもしれない」と思った時にやはりプログラミングも変わりますし、少年院に入ったら子ども達とともにこれからどうするかを一緒に考えるようなプログラムにしたいから、そういう曲のお話をしながら、人生の話じゃなくて。そういう成り立ちの曲、もしくは作曲家の境遇とかそういう話をしながらプログラミングもしていくし、毎回何が出るかわからないんです。
由結:なるほど!水谷川さんの演奏は、凄い切り込みかたと言うか、楽曲に対する何か凄く鋭い視点を持っていらっしゃるのだな、と。聴いている側に素晴らしい気づきを与えてくれるように思います。
水谷川:結局、そこでいただいたものもすごく大きいから、普通のコンサートもそれで変わってきた部分があるのですけれども、、、
よく考えたら私達CDももちろん入れますが、演奏ライブは1回きりでそこに集まったかたも、その全員が集まってもう1回同じ演奏をするなんてありえない。空間も時間も。そう思うと本当に”一期一会”だと言うのを自覚するようになったし。
由結:そこに居合わせた方々は本当に幸せですね。
水谷川:いや、私が一番幸せだと思います。
由結:素敵ですね。沢山のご活動をなさる中で、昨年出演なさったラジオ作品、NHKのFMが
文化庁芸術祭で優秀賞を受賞されたそうですね。おめでとうございます!
水谷川:ありがとうございます。これは制作スタッフの皆さんに成り代わって「ありがとうございます」とお伝えしたいと思います。長崎の”祈りの音色”と言う番組だったのですが、去年の6月末に世界遺産に、長崎における潜伏キリシタンの方々にまつわる文化的な建物とか、その関連のものがユネスコの世界遺産になって、その登録寸前に向こうに音源を撮りに参りまして、
その潜伏キリシタンのかた達に関わる教会で演奏をして、それからインタビューもして、そして同時に同じ長崎で原爆の記念館を訪れたり、実際その時に子どもだったかたのお話を伺ったりして。
その二つはちょっと時代がずれてますけれど、長崎が背負ういくつもある十字架の内の、現在に一番近い、第二次世界大戰のこと、それから遡って明治と言う、その二つの十字架についてお話を伺ってきました
由結:そうなんですね。原爆と言う言葉も出たのですけれども、震源地から2kmほど離れたところの教会ですよね。実際に訪れていかがでしたか?
水谷川:難しい話ですけれど、日本人なのに日本のこと知らないと言う負い目がずっとあって、それで今回も伺って初めて知ったことがいっぱいあって、向こうの長崎のかた達が色んな形でそれぞれの歴史を、お家の中の歴史もありますけれども、背負っていらっしゃる。
それが皆さんもの凄く淡々とそれを見ていらっしゃるから、どなたにお話を伺っても誰も”誰かに何かをされた”と言う印象を私に残したかたいらっしゃらないんですよね。だからそれが凄く尊いことだと思ったし、何か自分の中に、今まだわかってないこといっぱいあるのですけど、多分凄く心をノックするようなことが多かったと思います。
由結:そうなんですね。深い気づきが本当に与えられた時間だったのでしょうね。
水谷川:はい。
由結:この場所での、素晴らしい演奏とインタビューはネット上でも見ることができますか?
水谷川:はい。優秀賞を受賞させて頂いたと言うことで、今年の8月9日。だから長崎に原爆が落ちたその日まで、再放送を”らじる☆らじる”と言うのでお聞きになれるようになりました。”長崎・祈りの音色”で検索をして頂ければいいかと思います。
由結:はい。わかりました。”長崎・祈りの音色”で検索をなさってみてください。
水谷川:はい、お願い致します。
由結:はい。そして先週も少しを案内したのですけれども、コンサートがありますね。
水谷川:はい。こちらのほうですか?
由結:はい。まず5月10日、5月7日が先なので。
水谷川:はい。では先の7日で見て頂いて。5月7日はフィンランドからピアニスト・バイオリニストを招き、これは日経ホールで私達チェロを合わせてトリオの。これはフィンランドの代表するピアニストを中心に、実はそのピアニストは夫の父ですけれども。
由結:えぇ。旦那様と。
水谷川:そうなんです。家族なのだけれども仲間でもあり、一緒にコンサートをします。3曲ピアノトリオばっかり弾きます。ベートーベンからショスタコービッチまで。
由結:はい。素晴らしいコンサートですので是非チェックをなさってみてください。
水谷川:はい。こちら日経ホールで火曜日の夜18:30からです。
由結:はい。お待ちしております。さぁ、そしてもう一つが5月10日なのですけれども金曜日ですね。こちらは?
水谷川:はい。”水谷川優子・チェロリサイタル12回目で北欧のマエストロを迎えて”と言うコンサートを金曜日の夜7時から紀尾井ホールで致します。
これは今年が日本・フィンランド外交樹立100年と言うことで、フィンランドを代表するシベリウスさんの作品をいくつかと、あと若くしてお亡くなりになったラウティオさんと言う日本で弾かれることがめったにない作品、当日も共演するピアニストで指揮者である”ラルフ・ゴトーニの書き下ろし作品”十牛図”より、その中の二つの作品を【世界初演】します。
それから最後には北欧とは、フィンランドと湖と森と言う共通点がある国で生まれ育ったドヴォルザークのピアノトリオ3人で弾きます。
由結:はい。本当に貴重な楽曲が楽しめるコンサートになっておりますので、こちらも5月の10日ですね。19時開演と言うことでチェックをなさってみてください。紀尾井ホールです。それでは最後に、リスナーの皆様に向けてメッセージを頂きたいのですがよろしくお願い致します。
水谷川:はい。どうしましょうね?色んなお仕事のかたがいらっしゃると思うのです。これを聞いていらっしゃるかたと言うのは。でももちろん皆さんにいつかお目にかかれれば嬉しいと思いますし、いつかお目にかかれるまで皆さんが一日一日、やっぱり”同じ日は二度とない”と、そう思って元気にお過ごしになることを期待しています。
由結:素敵なメッセージ頂きました。私も胸に刻みます。
水谷川:ありがとうございます。
由結:ありがとうございます。それでは水谷川さん是非また遊びにいらしてください。
水谷川:はい、ありがとうございました。
カザルス/カタロニア民謡:鳥の歌
R.シュトラウス:ロマンス (ピアノ:黒田亜樹)
ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌
ヴィラ=ロボス:カイピラの小さな汽車
プロフィール |
「交響楽団の祖」と呼ばれる祖父、近衛秀麿の遺志により5歳からチェロを始め、桐朋学園女子高等学校音楽科卒業、同大学ディプロマコースを経て、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院首席卒業、同大学院修士修了マギスターの称号を得る。 同時期にローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミーのソリストコースにて研鑽を積みながらヨーロッパでの演奏活動を開始した。 いままでに勝田聡一、松波恵子、ハイディ・リチャウアー、故アルトゥーロ・ボヌッチ、室内楽を故ハンス・ライグラフ、メナヘム・プレスラー、ハーゲン弦楽四重奏団の各氏に師事し、第6回東京国際室内楽コンクール優勝、併せて齋藤秀雄賞とアサヒビール賞を受賞、イタリア・カラブリア芸術祭コンクール優勝、ピネローロ国際室内楽コンクール2位、バロックザール賞など多数受賞。 最新のソロアルバム「CON ANIMA~魂をそえて」は『レコード芸術』誌で準特選盤、優秀録に選出。 「勇気づけ、包んでくれるような暖かい音色」(東京新聞)「心をノックするチェロ」(毎日新聞)と評されている。ソリストとしての他に邦楽などの異分野アーティストとのコラボ(NHK第35回日本賞授賞式で能管の一噌幸弘氏と皇太子御夫妻のご列席のもとで記念演奏)や、「Ensemble Φ(ファイ)」「一山水」「Trio SolLa(トリオ・ソラ)」のメンバーとしても活動中。 現在、日本とドイツに拠点を置いて各国の音楽祭にソリスト、室内楽奏者として招聘されており、エジプトやヨルダン、シンガポールなどでもオーケストラと協奏曲を共演、現地の音楽院での指導も行っている。 活発なコンサート活動の傍らではライフワークとして少年院、ホスピスなどの施設を訪問して演奏を続けている。 ユニークな活躍ぶりが注目されラジオやテレビにゲスト出演も多く、2018年4月より1年間ラジオ番組MUSIC BIRD「コンサートイマジンPresents 今トキ! クラシック」のパーソナリティを務めた。 また同年8月出演のNHK FM「長崎・祈りの音色」が平成30年(第73回)文化庁芸術祭にて優秀賞を受賞するなど、話題を呼んでいる。 |