駐日エルサルバドル共和国 大使 マルタ・リディア・セラヤンディア・シスネロス閣下「エルサルバドルはスペイン語で”救世主”」
銀座ロイヤルサロン1週目
由結:さあそれでは本日の素敵なゲストをご紹介致します。駐日エルサルバドル共和国特命全権大使 マルタ・リディア・セラヤンディア・シスネロス閣下です。よろしくお願い致します。本日はとてもお忙しいご公務の中駆けつけて頂きました。
セラヤンディア閣下:この機会を与えて頂いて本当に感謝しております。
由結:ありがとうございます。大使は非常に日本語も堪能でいらっしゃいますので、是非日本の国民に向けて沢山のメッセージを頂きたいと思っております。
セラヤンディア閣下:ありがとうございます。
由結:さぁ、エルサルバドルと言うと、皆さん聞いたことはあるのだけれども、正確な位置知らない方も多いのではないかと思います。まず中央アメリカに位置しますよね。
セラヤンディア閣下:そうですね。エルサルバドル、アメリカ大陸の南北挟んで中米と言うところにあります。中米の中のまた真ん中にあるので、まさにアメリカ大陸のハート部分に位置しています。
由結:そして太平洋に面していますね?
セラヤンディア閣下:はい。中米の国々の中で唯一太平洋にしか面してない国はエルサルバドルですね。他の国は太平洋と大西洋に、カリブ海に面しているんですね。両方海があるのですが、エルサルバドルは太平洋だけです。太平洋の夕日は有名です。綺麗ですね。そして、太平洋は日本と結ぶものですね。ですから日本とエルサルバドルの間には太平洋があるだけです。
由結:時差としてはどのぐらいあるのでしょうか?
セラヤンディア閣下:時差は15時間の時差があります。日本のほうが進んでいると言うことですね。
由結:大使もエルサルバドルと日本は行き来することもあると思いますが、時差などあると大変じゃないですか?
セラヤンディア閣下:そうですね。時差が一番困ります。
由結:そうでしょうね。それから、国名の由来を教えて頂けますか。
セラヤンディア閣下:そうですね。エルサルバドルと言うのは、日本語で書く時は”エルサルバドル”ですけれども、実は言葉二つでできているんですね。 ”El(エル)”と言うのはスペイン語で ”冠詞”。英語で”the”と言う意味ですね。”the”のほう。”Salvador(サルバドール)”と言うのは”救ってくれる人”つまり”救世主”と言う意味ですね。首都はサンサルバドルですね。
由結:首都の由来も、国名に関係があるのですね?
セラヤンディア閣下:”Salvador(サルバドール)” と言うのは同じ意味ですね。でもセイント(San、英語でSt.)と言うのは”聖サルバドール”と言う人物の名前ですね。
由結:そうですね。そして面積が2万1千とんで40平方メートルと言うことなのですが。
セラヤンディア閣下:そうですね。これでも日本人に分かりやすく言いますと、九州の半分ぐらいとか四国よりちょっと大きいぐらいと言うイメージで。人口は630万人ぐらいだと思うのですけれども、実は国外にいる人口は約300万人と言われています。
由結:そんなにたくさんいらっしゃるのですか?
セラヤンディア閣下:大半はアメリカ合衆国にいます。それでその他カナダですとか、ヨーロッパの国々とかですね。あっちこちにサルバドール人はいます。
由結:なるほど。そして非常に活気のある国だと言うふうにお聞きしているのですけれども、お若いかたも多いのではないかと思うのですが、平均の年齢はどのぐらいになるのでしょうか?
セラヤンディア閣下:そうですね。若い人の力が大事ですね。平均年齢は大体26歳ぐらいですね。
由結:これからもどんどん成長していく可能性が非常に高い国ですね?
セラヤンディア閣下:そうですね。これから伸びる可能性がこれからある国ですね。
由結:そうですね。大使は日本語以外にも母国語のスペイン語をはじめとして、英語・フランス語など、本当にご堪能でいらっしゃるのですが、日本にはもともとご関心があったのですか。
セラヤンディア閣下:そうですね。私は日本に対する一番最初に興味を持ったのは、小学校に遡ります。小学生の時代ですね。実は6年生の時に浅くではありますが、世界史に触れることがあるんですね。それで第二次世界大戦の中で教科書に載っていた写真から衝撃を受けました。それはキノコの形をした雲。つまり広島と長崎の原爆投下の写真だったんですね。それでその破壊力とか「この国では大変なことが起きたんだな」と子どもながら思いました。でも同時にとても不思議に思ったのは、その当時父が乗っていた車は日本製だったんですね。今日本で言うと日産ですけど、”ダッソン”と言っていましたね。スペイン語で。それから、”パナソニック”。ラジオも日本製でしたので、何かとても興味を持ちましたね。なぜなら破壊された国から成長して世界中でエルサルバドールまで届いている、そういう製品を作っている国になっていると言うことは子どもながら関心を持ちました。
由結:なるほど。日本の様々なことを乗り越えてさらに成長していく姿に、何か共感して頂けたのでしょうか。
セラヤンディア閣下:そうですね。不思議な国だと思いました。関心を持ちましたね。「あっ、きっと日本人は素晴らしい国民だろう」と思いました。
由結:嬉しいことです。なんでもエルサルバドルでは、当日の日本の様子のドキュメント番組である”プロジェクト X”が 流されていたそうですね。
セラヤンディア閣下:えぇ。とっても親日である国ですね。エルサルバドルだけではなくて、ラテンアメリカの国々はとても日本に対して親日と言うか、あります。その中でもエルサルバドルが特にそうですね。昔からそうなんです。歴史的な出来事も色々それを物語っているんですね。
由結:やはり国民性なども少し似ているようなイメージを持っているのですけれどもいかがでしょうか?
セラヤンディア閣下:そうですね。70年代とかですね、エルサルバドルは中米の中の日本と呼ばれているぐらいでしたね。何か勤勉で働き者で人口が中米の中で一番人口が多い国ですね。人口密度で言うとほぼ日本と同じです。
由結:様々な点が似ているのですね。
セラヤンディア閣下:そうですね。資源がありませんので、一番の資源は人間です。その点は日本と似ていると思います。
由結:そうですか。大使は”日本語スピーチコンテスト”でも入賞されていらっしゃいますけれども、コンテストでは国民性と言う点でもお話になっていますよね。どんな点が似ていて、どんな点が異なっていると思われますか。
セラヤンディア閣下:そうですね。今言いましたのは似てるところですね。でも例えば日本に来た時に色々な新しいものとか感じましたけれども、例えば日本のかたはあるグループに属していると言うか、グループ制と言うかあるんですよね。チームワークが上手とか、東日本大震災の時にもそれが国際的にも話題になりましたね。協力し合うとか、協調し合うとか。日本人はそういうのが得意な人々だと思いますね。それはエルサルバドルとはちょっと違って、もう少しバラバラと言うか、個人個人と言う。
由結:そうでしたか!
セラヤンディア閣下:そうですね。それはいいことなのかもしれません。ですけどもやはり国をある目的設定の中でその目的達成のために皆で動くと言うのは、とっても日本は世界中で一番得意ではないかなと思います。
由結:お褒めの言葉を頂き、日本人としては嬉しく思います。ビジネス上でも、何かお感じになることはありますか。
セラヤンディア閣下:そうですね。組織が整っている中でお仕事できるので、一人一人は今グループで仕事してると感じなくても、一員のやるべきことはきちんとやると言う意識が強いと思います。ですから例えば車の製造をはじめ、様々な職業がありますけれども、例えば車を作る時にある人はエンジンの部分。ある人は塗装、最終的な塗装を専門に。あるいは一つのビルディングの中でたくさんの人々がお仕事をしています。それでお掃除の人もいますし、社長クラスの人達もいますし、色んなことをなさっている会社員とかいらっしゃるんですね。でも例えばお掃除してる人達は、誇りを持って「どんな仕事でも自分の仕事はきちんとやる」と言う意識があると思います。それが絶対的に組み合わせる時は結果が出るわけですね。怠ける人も少ないのではないでしょうか。
由結:あー、なるほど。やはり勤勉で努力家で「結果を出すために頑張る」みたいなところが。
セラヤンディア閣下:そう。真面目なところがありますね。信用できるところが言えると思います。
由結:まだまだお話が尽きませんが、お時間になりましたので!
セラヤンディア閣下:もっともっと話ししたかったですけどね(笑)!
由結:そうですね。次回も大使にはご出演頂けると言うことですので、是非詳しくお聞かせ頂きたいと思います。
セラヤンディア閣下:どうも本当にありがとうございました。
由結:ありがとうございます。では日本の皆さんに少しメッセージを一言頂いてもよろしいでしょうか?
セラヤンディア閣下:はい。是非ですね、エルサルバドルはとても先ほども言いましたけれども、日本人のことを好きですので、是非もっとエルサルバドルにご自分の目で見に来て欲しいと思います。美味しいものとか、綺麗な景色とか、何よりも人々のスマイルが待っているので、是非エルサルバドルに一度遊びに来てください。
由結:はい。素敵なメッセージありがとうございました。
セラヤンディア閣下:ありがとうございます。
銀座ロイヤルサロン2週目
由結:さあそれでは本日も素敵なゲストをご紹介致します。駐日エルサルバドル共和国特命全権大使 マルタ・リディア・セラヤンディア・シスネロス閣下です。よろしくお願い致します。
セラヤンディア閣下:よろしくお願い致します。
由結:セラヤンディア大使には二週に渡りましてご登場頂いております。前回はエルサルバドルの魅力もそうなのですけれども、日本との国民性の共通点ですとか違いについても伺ってまいりました。本日もエルサルバドルについて深くお伝えしていきたいと思っております。
セラヤンディア閣下:ありがとうございます。
由結:はい。エルサルバドルのこちらは国旗、ちょっと今スタジオであげてるのですけれども、ブルーがきれいですよね。
セラヤンディア閣下:はい、大好きな国旗です。ブルーの線が上と下にありまして、真ん中は白ですね。白は平和を表しています。それで上と下は中米諸国を挟む大西洋と太平洋の意味もありますが、実はエルサルバドルは古来から貝染めを取り入れてたんですね。インディゴブルーのブルーとも言われています 。その由来があると思います。
由結:中の紋章も印象的です。このようなエルサルバドルなのですが、まだ行ったことないと言う方も多いと思います。魅力がたくさんあると思うのですけれども、大使はエルサルバドルのここが一番好きみたいなところがはおありですか?
セラヤンディア閣下:そうですね例えば日本人がエルサルバドルに行かれる時は、「どうやって行ったらいいか?」と言われるのですけれども、アメリカ経由のほとんどの主な町からは直行便があるんですね、エルサルバドルまで。それで長旅のように思われるかもしれませんが、例えばヒューストンから3時間だけですとか、マイアミから2時間とか、意外と思ったよりも近いですね。色々な利点があると思いますけれども、その一つの利点は国が小さいからこそ、短期間で色々と見ることができます。例えば山を見たり、1日は山を見に行ったりとか。町からもよく見えますけれども、景色見たりとか、それからビーチですね。海辺がとても綺麗ですし、サーフィンなども盛んですね。スポーツとか好きなかたは海で色々できるんですね。でも海で休みたいと言う方も、ハンモックで休んで頂いて、美味しいもの食べたりとかできますので、色んなタイプの方にも向いていると思いますね。
由結:なるほど。ファミリーやお友達で大人数で行っても楽しめるし、カップルで行っても楽しめると言うことなのですね。
セラヤンディア閣下:そうですね。あと文化に興味があるかたは、例えば世界遺産の文化遺産とかもありますし、マヤ文明の遺跡とかたくさんありますので短期間でそれを見ることができるのでとても良いと思います。
由結:そして先ほど食べ物と仰ってくださったのですけれども、例えばどんなものがあるのでしょうか?
セラヤンディア閣下: そうですねサルバドールには海もありますので、魚も美味しいんですけれども、日本のように生では食べないですね。でも コックテイルにして酢の物のようなもの、とても有名なものがあるんですね。 セビーチェと言います。色んな国でもセビーチェあるのですけれども、エルサルバドル風のセビーチェとっても美味しいですね。
由結:特有の味付けなのですね。
セラヤンディア閣下:はい。そして、サルバドールの国民的な食べ物は”ププサ”と言う食べ物。
由結:”ププサ”?
セラヤンディア閣下:”ププサ” 。はい、これはとうもろこしをベースにした日本語的に言うとおやきに似てるらしいですね。丸く焼いたとうもろこしの生地の中に肉ですとか豆ですとか野菜・チーズを挟んで一つのサンドイッチみたいなのではなく、一緒にして伸ばして焼くんですね。
由結:なるほど!えぇ。じゃあ本当に見た目はおせんべいのような感じですか?
セラヤンディア閣下:そう!おせんべいみたいな感じになりますけども、その中に色々入っているとても香ばしくて美味しいですね。
由結:主食がやはりとうもろこしと言うことなのですね。
セラヤンディア閣下:そうですね。古来から”日本ではお米”と同じように”エルサルバドルではとうもろこし”です。
由結:美味しい食べ物があると旅も楽しいでしょうね。そしてやはり日本と風土的にも似ていると言うようなこともお聞きするのですが。例えば火山があったりしますよね。
セラヤンディア閣下:そうですね。景色とか日本人が行かれるとサンサルバドルは首都ですけど、首都から色んな地方に行くと必ず山に出会うんですね。それでその景色は例えば日本の富士山にそっくりな山があったり、見た風景は”日本の里山”のような感じで。日本人は落ち着くと思います。
由結:なるほど。懐かしい感じがするのでしょうね。この火山の一つが、サン=テグジュペリの”星の王子さま”に由来するそうですね?
セラヤンディア閣下:そうですね。作家さん” サン=テグジュペリ”は”星の王子さま”を書いた有名な方ですけれども、その奥さんはエルサルバドル出身の”コンスエロさん”と言う方。コーヒー農園の家族の中で育って、アルメニアと言う街がありまして、そこから見た景色は三つの火山が見えるのですけれども、その星の王子さまの本の中にその火山がその景色そっくりな景色が出ていると言うことで。あと薔薇が出ますね、その物語の中に。「薔薇はまさにコンスエロさんではないか」と言う話が研究されている方が仰っているんですね。そのコンスエロさんがずっと持病を持っていて…喘息だったんですよ。
由結:そうだったんですね!「薔薇はコンスエロさんだったんじゃないか」…と。ロマンが広がりますね。
セラヤンディア閣下:他にも見どころはたくさんあります。街の中に色んなショッピングモールとかもありますし、有名な教会、色んな歴史的な建物とかありますので、ぜひご覧ください。
由結:とてもカラフルで、色使いが綺麗な街だなと思います。
セラヤンディア閣下:そうです。民芸品がたくさんありまして、木でできたものですとか、陶器でできたものとか、布でできたものが たくさんあるんですけれども。どれもですね色鮮やかでとても綺麗な色使いをしていると思いますね。
由結:色のパワーと言うのは大切ですからね。
セラヤンディア閣下:そうですね。明るい民族性を表していると思います。そして、明るいけれども、真面目さはあるんですね。ちょっと日本人とも似てるとこの前も話してましたけれども。
由結:えぇ。なるほど。一つ一つの民芸品も凄く丁寧に作りこんでいますよね。
セラヤンディア閣下:もう細く字とかですね、細かいところよく書いてあるので、本当に絵画のような、本当はもっとお値段してもいいようなものは結構お求めやすい値段で売っていますので、いいお土産になると思いますね。
由結:なりますね。大使も今、丁度お胸に綺麗な蘭をつけていらっしゃいますが、エルサルバドルでは蘭の花もあるんですか。
セラヤンディア閣下:蘭もあるんです。自然に例えば公園とか行くと、自然に木の所に蘭がぶら下がってたりとか、色んな種類の蘭があります。
由結:はい。その他、歴史的にも様々なものを乗り越えながら成長してきたエルサルバドル…!
セラヤンディア閣下:そうですね。これから課題はたくさんありますけれども、是非経済成長して色々な社会投資をはじめ、政府と国民が一体となって成し遂げていきたいポイントでもあります。
由結:はい。そして、エルサルバドルの映画も日本で公開されるとか?
セラヤンディア閣下:はい。実はですね、 ご存じないかたもいらっしゃると思いますけれども 80年代に内戦がありまして、その内戦がひどくなったきっかけの一つはある有名なかたの暗殺だったんですね。そのかた大司教だったんですね、その時に。それかバチカンが認めて 彼は平和的に色々解決したかたなのに、当時の政府、軍事政権だったんですけれども、殺されてしまいまして、その彼の信仰に対するヘイト(Hate)だったと言うことで、セイントの号を頂いた”レッセイ”と言うんですね。 聖オスカル・ロメロになっていますね。その映画と言うのは、3月26日にセルバンテス文化センターですね。そこで上映される予定ですので、是非。
由結:貴重な機会ですね。本当にたくさんの素敵なお話を伺ってまいりましたが、是非最後にリスナーの皆さんに向けてメッセージを頂ければありがたく思います。
セラヤンディア閣下:はい。日本のこれからも色々な変化のある年になりますけれども、来年もオリンピックがありますし、全てのことにおいても皆さんの個人的なことにおいても、是非良い結果が出ますように、そういう望みを心から送ります。それから是非エルサルバドールのことをもっと知って頂いて、エルサルバドルに来て頂ければ嬉しいと思います。
由結:はい、皆様是非、インターネットでも今環境的に見ることができますが、実際に足を運ぶということも大切だと思いますので…。
セラヤンディア閣下:そうですね!それが一番いいと思います。後悔はしないと思いますよ(笑)。
由結:はい。是非皆様チェックなさってみてください。それでは大使二週に渡りまして本当にありがとうございました。
セラヤンディア閣下:こちらこそ。どうもこの機会を頂きまして感謝しております。
由結:はい。それではまた是非、また遊びに来て頂けますと幸いでございます。
セラヤンディア閣下:どうもありがとうございます。
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