一般社団法人 Non-Violence Project Japan CEO 楳原弘行さん&常務理事 衣川公美さん「平和な世界の実現は子供たちから」
銀座ロイヤルサロン1週目
【数多くの著名人がサポートするNon-Violence Projectとは】
由結:さぁお聞きいただいているのはリンゴ・スターさんからのメッセージです。この様に数多くの著名人が支援する団体ですが、本日は一般社団法人Non-Violence Project Japan CEO の楳原弘行さんと常務理事 衣川公美さんにお越しいただいております。そして本日はユウキアユミワールドアカデミーの稲井英人会長とともにお話を進めたいと思います。宜しくお願い致します。
ゲスト:よろしくお願いします。
由結:早速ですが、数多くのサポーターがいる団体ですが、どんな団体なのでしょうか。
衣川 :Non-Violence Projectは、スイスに本部を置く非営利団体です。設立されたのは1993年です。1980年に元ビートルズメンバーのジョン・レノンさん、反戦論者で平和主義者だった彼が射殺されるという悲しい事件がありましたが、それをきっかけにNon-Violence Projectを作った人々が2度とこんな悲しい事件を起こさない様にしようという活動をまずヨーロッパでスタートしたのがきっかけです。
由結:この団体の中でお2人はどの様な活動をされていますか?
楳原:私はNon-Violence Project Japanの設立をし、現在CEOとしてNVP JAPANの管理運営の責任者として職務を受けております。
衣川:私はNVP JAPANの2015年の設立時から参加していますが、国内の広報と教育素材の整備を行っております。
由結:活動はどの様な感じで進んでいますか?
楳原:国内においては設立して5年ですが、スイス本部を中心として25年以上世界各国で教育活動をしています。私たちのメイン活動の1つが若者と子供たちに平和教育を普及する、平和とは何か、どう生きていくと世界を幸せにできるかという事を一緒に共有していく事をミッションとしています。
由結:それは理念という事ですね。
衣川:本部が持っている教材は英語で、ちょっとした文化の違いで言葉や価値観に異なる部分があるものをまずは日本語に訳すところから5年前に取り組み始めて、大変な苦労や経験を味わいました。
【NVPの教育プログラム】
楳原 :NVPの教育プログラムですが、対象年齢が9歳〜18歳までレベル1〜3の3つのステージで構成されています。教育内容はスクールフォーピース、スポーツフォーピースの2つのプログラムがあります。スクールフォーピースは学校という教育現場で子供たちに使って頂きたい教材です。スポーツフォーピースはスポーツコーチの皆様が子供達にスポーツをコーチングするときに活用していただける様になっています。基本的な教材内容は同一ですが学校用のものは教育を行う設備、教室や机などが配備されていることを前提として構成されています。これがNVPのベースになっているプログラムです。スポーツフォーピースは外のフィールドでスポーツコーチングの時に使うのでスクールのものをコンデンスというか凝縮をした形になります。
由結:これを受講するとどのようになりますか? 楳原:スクールでいうと1セッションが40分×10セッションですから、これも先生の裁量にお任せしています。NVPのプログラムを先生の判断によって我々に終了したとレポートをいただくと、我々の方からスイス本部のほうにレポートを出してスイス本部から受講した生徒皆さんに各々の名前が入った講習修了証明書を発行しております。ちなみにNVPはこれまで世界12か国で800万人以上の子供と若者にNVPの教育を提供しているので、講習修了証明書を受け取ったお子様たちが800万を分母として今後世界で物理的障害を越えたネット領域で平和というテーマで合流してくれたらというのが我々のひとつの大きな夢です。
【受講者の変化】
稲井:これを受けられた方はどのように変化しますか?
楳原:実これまでの世界各国のデータというものはビッグデータ化していませんが、例えばフロリダとメキシコの中/高等学校では暴力の発生率が40%以上軽減したことが報告されています。
稲井:素晴らしい!
楳原:後はNVPウガンダですがプログラム後は暴力の発生率が50%以上、減少したと聞いています。逆に言うとウガンダと言う国柄、教育がまだ先進諸国と比べて成熟していないのでこういった数字が出るのかなと思います。
稲井:日本ですといじめなどがありますが、そこに関連したものは?
楳原 :Non-Violence Projectを日本語に直すと非暴力に対する取り組みとなってしまいます。日本で暴力と言うと叩くとか蹴るとか身体的肉体的行為というイメージが強いですが、我々が考える暴力というのは言葉や態度の暴力、いじめや無視なども含めています。ありとあらゆる人間が平和な環境にいられないということがすべての暴力につながっています。では、暴力と言うのはどこから出てくるのだろう。「暴力はいけない」と言うのは簡単ですが発生を抑えるためにはどうすればいいのかという点にスポットを当てることがNVPの考え方です。これは後ほど教育の部分で細かい説明があると思いますが、暴力が発生するのは意見の相違から出てくると思います。意見の相違をどうやってコントロールしていくか、子供たちに意見の相違とは何かを理解して頂き、それの解決方法を一緒に考えてみる。黙っているとどんどん意見の相違が大きくなってしまいやがていじめや暴力へとなってしまう。でも、この意見の相違をこういう風にすればお互い言っていることが理解でき、そして平和的&建設的な人間関係になるのではないかという、Conflict Managementの方法論を非常に簡単なActivityでNVPプログラムが子供たちに提供しています。
稲井:僕が受けたいですよ!
由結:これを知っていただいたら様々なことが変わってくるという1つのポイントになりそうですが、来週もご登場いただけるということでこの続きは来週聞いていきたいと思います。
衣川:ぜひ、ありがとうございます。
由結:それでは来週も楽しみにしていきたいと思います。本日はありがとうございました。 ゲスト:有難うございました。
銀座ロイヤルサロン2週目
【シンボル“ノッテッドガン”】
由結:それでは本日の素敵なゲストをご紹介いたします。一般社団法人Non-Violence Project Japan CEO 楳原弘行さんと常務理事 衣川公美さんにお越しいただいております。そして本日もユウキアユミワールドアカデミー 稲井英人会長とともにお話を進めたいと思います。宜しくお願い致します。
ゲスト:よろしくお願いします。 由結:2週目という事ですが本日も貴重な話を伺っていきたいと思います。私の目の前に非常にカラフルな銃がありますが銃口が括られている、“ノッテットガン”ですね。これがシンボルという事ですがご説明いただけますか?
衣川:これをデザインしたのがジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻と親しくされていたスウェーデンのアーティストさんですが、ジョンが亡くなった後に二度と暴力は嫌だということでバレルの部分を縛っています。暴力が世の中に出ていかないという思いを込めて作られたものです。最初に作られたものはニューヨークの国連本部のエントランスのところに飾られています。ですから行ったことがある人は目にしたことがあると聞いています。現在、世界30か国の都市に平和と非暴力のシンボルとして設置されています。
由結:こうやって色をつけるとまた違った印象が伝わってきます。
衣川:これはリンゴ・スターさんが平和に対する思いを込めてデザインしてくださったそうです。
由結:数々の著名人の方もデザインをされているそうですね?
衣川:世界で100名ばかりのアンバサダーの方々に賛同いただいていて、ポール・マッカートニーさんやオノ・ヨーコさんやメッシや日本でも堺マサアキさんがこのようなデザインをして下さったり、野球の岩隈選手や教育家の尾木先生など日本では14名のアンバサダーの方々に色々と我々のサポートをしていただいております。バラク・オバマさんやクリントンさんやアナン国連元総務長、といった皆さんに表彰をいただいたり…。
由結:それだけ皆さんの心に響く理念をお持ちだと思いますが、先週の教育というところで聞いてきましたが。
稲井:本当に全ては家庭から始まりますので。学校にしつけまでお願いする状態に日本はなっているが、この教育プログラムによって夫婦喧嘩まで減ったという、ますます興味関心があります。
【NVPの教育プログラム 3つのテーマ】
衣川:ありがとうございます、夫婦喧嘩が減ったというのは大人の方々にトレーナーになっていただいて子供たちに教育を普及していくシステムをとってて、そのトレーナーになっていただく勉強の過程でそのような感想を大人の方々からいただいています。私たちの教育に3つのテーマがあって、1つ目が自己肯定感。SMAPが歌っていた「世界に1つだけの花」が分かりやすいが人間は皆1人だけの大切な存在だということをもう一度認識してもらう、それによって相手も唯一の大切な存在だとわかる事でお互いを大切にし合う事がまず1つ目のテーマです。日本の教育ではなかなか学べない部分ですが、まずはそこを学んでもらう。2つ目が意見の違いとそれへの対処を学ぶこと。意見の違いをコンフリクトと呼んでいるのですが、これは絶対にあります。色んな意見がないといけないので、コンフリクトもないとおかしいのです。これをまず認識した上でそれをどういう風にしていけば、みんなが幸せになれるかという事を学んでいきましょうというのが2つ目のテーマです。3つ目に最大のテーマであるNon-Violenceを持ってきています。Non-Violenceを子供たちに学んでもらうには非暴力と言葉で言っても難しいので、まずはバイオレンスとは何かということをみんなでディスカッションします。次にノンバイオレンスで世界を変えた人がこんなにいるというロールモデル。例えばマハトマ・ガンジーさんであったりジョン・レノンさんもそうですが7人位のロールモデルを子供たちに提示してその人々の生き方をそれぞれ学んでもらっています。
由結:なるほど、それを元にして話し会うんですね。 衣川:みんないろんな感じ方をすると思うのですが何か響くものを見つけてもらって、その後に自分たちは何ができるかをみんなで考えてみようという流れにしています。その流れの中で我々のシンボルに対してもみんなにこの様な形で絵を書いてもらっています。
由結:これはお子様が描いた絵ですね。
衣川:自分たちの平和への思いをみんなでディスカッションしながら書いた…!
稲井:良いアウトプットですね!
由結:花が銃口から出ているんですね(笑)。
衣川:最後にどんな思いが込められているか発表してもらう、すごくシンプルな内容ですが子供たちは今まで体験したことがないような発見を沢山してとても幸せそうな顔をしてプログラムを終えてくれます。
由結:子供同士ですと、お互いにつながる速度も速いんじゃないかなと思います。
稲井:親子でやるとさらに良いでしょうね。 衣川:まだ私たちのプログラムは9歳から18歳を対象にしていますが、もっとピュアなタイミングで学んでもらえることができないかを考えてキッズ向けの教材を現在制作中です。これは親子だけで見ながら学んでいけるような発見ができればいいなと。それも本部と調整をしつつ育てていきたいと思っています。
【筑波大学で採用されているNVPプログラム】
由結:今後の予定や目標はなんですか?
楳原:まずは筑波大学の総合科目で一昨年からNVPのプログラムが採用されています。今年で3年目ですが3年生を中心に100名以上の学生がこのクラスを受けて、6月末にこの講習を終了する予定です。筑波大学も凄く喜んでくれていて、このまま永続的にNVPのプログラムが総合科目として採用される予定です。すなわち筑波大学の学生がNVPのトレーナーの資格を持って世の中に出て行って子供たちに接していってくれる。筑波大学なのでかなりの生徒が教育の現場やスポーツコーチングの世界に入るので、そこで我々の目標である子供たちに筑波大学の卒業生を通してNVPのプログラムを普及できればなと、これが今具体化している事です。2番目は白金にある東京インターナショナルスクール、ここの12名の先生が昨年NVPのトレーナー講習を受けてくれて、今年から子供たちに普及が開始されている。この実績を踏まえて今後日本の小学校中学校を中心にNVPプログラムの導入を考えていきたいと思っています。 由結:これからの展開が楽しみですね
【NVPトレーナーが普及する教育プログラム】
楳原:言い忘れましたが、先ほど衣川が言ったようにNVP普及の方法論についてです。我々が直接お子さんにNVPプログラムを教えるのではなく、教育現場の方やスポーツコーチの方あとコミュニティーで活躍されている大人の方々にNVPのトレーナーになっていただいています。Train the Trainerという講習ですが大人の方に二日間お時間をいただいて学んでいただいています。そのトレーナーの方々が各々のフィールド、学校やスポーツコーチングの場で子供たちにNVPのプラグラムを普及していただく形をとっています。NVPでも去年の実績で2〜3ヶ月に一度Train the Trainerを開催しているので、興味がある方はぜひご連絡ください。また、NVPJが直接一般の方々を対象にTrain the Trainer講習を行っていますので、ご興味のある方はぜひご連絡をしてください。
由結:この情報というのはどのようにしたら取ることができますか?
衣川:基本はFacebookでお知らせしていますが、今はコロナの影響で遅れています。後半はしっかりとやっていきたいと思います。
楳原:後はNVPのメールアドレスを掲載しているので、直接お問い合わせいただければ対応するようになっているのでよろしくお願いします。
由結:それでは本日は素敵なお話をありがとうございました、ぜひまた遊びにいらしていただきたいと思います。ありがとうございました。 楳原・衣川:ありがとうございました
プロフィール |
米国大学卒業後、グローバル・エンターテーメント企業数社にてスポーツ&映画&ミュージックのマーケティング責任者を歴任。かかわったコンテンツは1998 & 2002 FIFA Worldcup、Star Wars Episode 1など。現在はビジネス・コンサルタントとして国内外の各種コンテンツのコンサルティング業務に携わる。2015年にCEOとして一般社団法人・Non-Violence Project Japan設立。現在に至る。そのほかに公益社団法人・日本近代五種協会理事、東京都クレー射撃協会理事も務めている。 趣味はクレー射撃、オーシャン・アクティビティーなど多岐にわたる。 |
プロフィール |
大学卒業後、会社員として複数のコミュニケーションビジネスに携わる。その後、複数の出版社にて雑誌出版の世界で広告・ブランディング・クライアントサービスに専心。広告部部長などを歴任する。かかわったメディアは『エスクァイア日本版』『DEPARTURES』『Safari』『WWD日本版』『OCEANS』など多数。2015年、一般社団法人Non-Violence Project Japanの設立メンバーとして参画し、現在、常務理事を務める。 |